
yomitaos
@chsy7188
2026年6月2日
ファミリーランド
澤村伊智
読み終わった
@ 自宅
テクノロジーがどれだけ発達しても、家族の在り方は変わらない…のか? あまりに強固な家族像という幻想がある。家族とはこうあるべき、といったような。いつまでたっても個人社会にならないこの国では、未来永劫この呪縛から逃れられないかもしれない。澤村伊智のSFホラー短編集たるこの本を読んで、あらためて絶望した。
テクノロジーが家族にもたらす最も害悪な機能は「監視」だと思う。これは収められたどの短編にも、ある程度共通している要素だ。健康状態に気を配り、普段と違う行動をしているようならアラートが鳴る。これは管理したい側からすると最高のシステムだろう。つまり、権力側目線のサービスだ。監視される側の人権は蔑ろにされる。
この本が実感をもって恐怖を演出できるのは、すでにこの本で書かれているような社会になってきているからだろう。そしてそれに苦痛を感じている人がマイノリティでは無くなってきていることもある。ユートピアとディストピアはほぼ同義だと思っているが、描かれている社会はどっちでもあるんだろう。これをユートピアと考える人とは仲良くなれない。

