ファミリーランド

7件の記録
- 好きな本@internet2025年5月27日かつて読んだ民俗ホラーを通して現代社会の問題点を抉り出してきた著者ならではの視点がSFジャンルでも冴えわたる♡♡エンタの神様 ラバーガール 全てのエピソードが脅威的ワオの一言♡素晴らしいね とりわけわたくしめにとっては「今夜宇宙船の見える丘に」がぶっちぎりだと感じた次第でございました♡♡♡ 要介護者の年老いた父親と、彼を介護しつつ父の老齢年金を唯一の収入源とする困窮した中年男性、超高齢化社会と自己責任論が交尾しまくった末に生まれた”ケアフェーズ“なる外科的処置、暗闇の日常に迷い込むUFOの光……なんのために生まれてナニをして喜ぶ! 不可逆的な手術を医師ではなく介護人自身が執り行う点も、“ケアフェーズ”普及の過渡期ゆえに主人公たちが倫理的葛藤に苦しむ点も、現実と地続きゆえの蓋然性を帯びていて恐ろしいよ リアリズム そういう意味では巻末解説の「ケアフェーズを用いた介護が実現する時代は来てほしくないなあ」という意見はちょっと的外れで能天気すぎると感じてしまったというか、だってもうすでに似た未来が到来しつつあるんだよね♡オラ現実見ろ やりすぎ都市伝説 社会的弱者のスティグマを刺激し社会問題を個人的な問題だと当事者に思い込ませる手口、本書のようなサイエンス・フィクション・ホラーにとどまらず現実に起こっている出来事とわたくしは見たよ♡
- amy@note_15812025年3月16日かつて読んだフェミニズム澤村伊智ジェンダー親子や家族をテーマにした6作品のSF短編集。SFというと今の技術がさらに発展して、より便利に快適にという世界が想像されやすいけれど、今のジェンダー観のまま、現代社会の困難な親子や家族の問題とSFを掛け算するとどうなるのか。 嫁姑問題、計画出産、生殖医療、結婚マッチングサイト、未来の葬儀のなどがそれぞれ主題になっていてどの話も、いまの価値観が続き、そのなかで技術が発展してしまったら?と想像して、ゾッとしてしまう。古い価値観のまま開発された技術や製品の行き着く先はこんな未来なんじゃなかろうか。発展する技術に人間がついていけてないという恐ろしさはSFでありながらもとてもリアルなものだと感じる。第19回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞