はぐらうり "サンショウウオの四十九日" 2024年7月15日

サンショウウオの四十九日
今の医師作家のなかでもっとも好きな朝比奈さん。今回も設定は凄まじいが筆致の安心感で没入できる。ベトちゃんドクちゃんが印象深く記憶されている世代なのもあるのかもしれない。 「分人」が2人住んでいる身体。意識と自我が複雑に絡み合って、でも当人たちはあまり複雑に捉えず受け止めようとしている。 芥川賞は受賞しておかしくない実力者。どうしても『ハンチバック』以降は当事者性が意識されてしまうだろうから、難しいところ。どちらにしても、今から選評が楽しみ。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved