

はぐらうり
@hagurauri-books
本にまつわる仕事をしています。
紙の本は主に透明書店、電子はhontoを使ってます。
- 2026年1月10日
白鷺立つ住田祐読んでる - 2026年1月9日
女王様の電話番渡辺優読み終わった直木賞候補作。 この世界はスーパーセックスワールド、って言い得て妙。たしかにそうですね、種の本能みたいなものですかね。 そこで生きにくい人たちの物語だったけれど、芯のある人が多くてなんだか安心しながら読めた。性的マイノリティを扱う小説は本当にここ数年で増えたけれど、これまでよりライトな文体というか、また違う読者層に向けて描かれてきているのが印象的だった。 - 2026年1月6日
読み終わった芥川賞候補となった久栖博季『貝殻航路』。 実際にある貝殻島(Google MAPで見られる)の灯台は、実際に点灯が復活し、廃墟ではなくなったということなのだろうか。日本が作って、ロシアが直している。 事実が基になっている部分が多いので、ノンフィクション的な要素も多い。北方領土とアイヌを扱っているが、アイヌのほうはあまり重点的には扱われず。こちらももっと読みたかったけれど、それは個人的な関心の強い方向だっただけ。 全体的に美しい物語で静かに時が流れる。でも、抱えている問題は多い。当事者性も必然性もある感じ。割と好きな文体でもあるので、芥川賞候補になったことで広く読まれていくと良いなと思う。 - 2026年1月3日
- 2025年12月29日
時の家鳥山まこと読み終わった芥川賞候補。時間軸を交差させながら、ひとつの家ができるところから描いている。ある意味で、というか正に、というか、家が主人公の小説。 死ぬことともう会えないこと、思い出せず埋もれた記憶と忘れること、その違い。あるものとないもの、かな。なにかすごく大事なことが描かれているような気がする。 ひとつひとつの意味が大きいので、文章がさらっと頭のなかを流れていかない。家を建てるときの設計図のよう。一文ずつしっかり理解しながら読んだ方が良い小説。 - 2025年12月19日
BOXBOXBOXBOX坂本湾読み終わった文藝賞受賞にして芥川賞候補作。不思議な作品だった。 いかにも文藝賞という次世代感がありつつも、芥川賞候補になりうる読みやすさも持ち合わせている。なにかが起こっているわけではなく極めて日常のお仕事小説でもありつつ、でもなにかは確実に起こっている、というサスペンス小説のようでもある。 中村文則が『銃』で出てきたときのような感じ。言語化ができなくてもどかしいけれど。あの頃はまだ感受性も豊か過ぎたのでかなり衝撃だったし、むしろ嫌悪もあったけれど、今この小説に近しいものを感じているのに、好感がある。 年齢を重ねることで受け止める土壌が広がることもあるんだなぁと思うと同時に、文藝の幅広さに慄くなど。 商品説明の「ベルトコンベア・サスペンス」に、何を言ってるの、と、サスペンスに落着させて良いのか、という思いもありつつ、令和の蟹工船とか言われても陳腐だなぁ、となってしまうし、表現が難しい。 とにかく読んで損はないので多くの人に読んでいただきたい。 - 2025年12月18日
失われた貌櫻田智也読み終わったこのミス2026年版・ミステリが読みたい! 2026年版・週刊文春ミステリーベスト10 2025 国内部門ともに1位で年末ミステリランキング3冠となった本作。エンタメとしてとても面白かった。 濃密な8日間。捜査としては短い時間で解決できているけれど、そこに至るまでの経緯がだいぶ濃くて面白い。かつ伏線もそこまで引っ張らないので、わかりやすくて良い。これは読みやすい。 どんでん返しというか、途中でこういうことかというのはわかってしまったので、だいぶミステリーにも慣れてきたんだろうと思い。2025年を代表するミステリー長編、広くおすすめできそうな一冊だった。 - 2025年12月15日
海神の島池上永一読み終わったもはら沖縄にとどまらず、台湾だったり米中との対立だったりも描きつつ、現代から古代を深掘りする壮大なエンタメ。さすがの真骨頂。面白かった。 「語りの上手い先輩の話を、酒を飲みながら聞くような小説だ。」という解説の一文がまさに! 池上作品はいつも入りが難しいけれど、面白くなるのはわかっているので読み進められた。今作はかなり過激で笑ってしまった。政治色も強いものの、そういうの嫌いじゃない。ご本人の思想なのかはわからないが平和というものへの考え方はとても示唆に富んでいた。 三姉妹のバチバチなやりとりも、ユーモアがふんだんにあり、愛情が垣間見えたりして面白い。 そろそろ沖縄の歴史も体系立てて勉強したほうがいいかもなぁ。 - 2025年12月3日
ミナミの春遠田潤子読み終わった山田風太郎賞受賞。独創的で、有望な作家に贈られる賞とのこと。漫才コンビ・カサブランカにまつわる人々を描く連作短編集。 小説としては良かった。自分には、残念ながらはまらなかったが、おそらくこの著者の読む順番と、大阪に馴染みがないことも原因だと思う。お笑いは好きなんだけどね。 - 2025年12月1日
- 2025年11月24日
- 2025年11月15日
神都の証人大門剛明読み終わった山田風太郎賞受賞。足掛け80年、3代にわたる壮大な「冤罪」ミステリー。かなり長かったけれどそれだけの月日があるし、ジェットコースターでぐいぐい読ませるし、終わってほしくないと思った。 フィクションではあるけれど、冤罪覆すのがこれほどまでに難しいとは。新証拠だけでは動かせないのか。 ラストは、そうくるか、と唸る。こっちは長旅で肩入れしているので、人情で攻めても良かったのかもしれない。 昔からなぜか伊勢神宮が好きで、三重が仕事場だった時代もあるので、出てくる地名が懐かしかった。とても充実した読書でした! - 2025年11月7日
水棲生物 水の底のアフリカオズヴァルド・ルワット,大林薫読み終わった海外で受賞多数の本作。アフリカ・架空の国にはなっているが、同性愛が死罪に等しく、貧富と性差の格差が激しい国、と今でもどこかにある国の話。 なにかを受賞、となったときに読まねばと思ったのだと思うが、タイトルから動物ノンフィクションを想像していたらまったくの思い違いだった。 なかなか情緒の激しい主人公カトメに感情移入はできないものの、この不遇(と言って良いのかもわからない。州知事の妻)が国とか大陸固有に由来するだろうから、今ある理不尽ではあるのだろう。 日本からすると過去ではあるが、今また未来でもあるように読めてしまうので恐ろしい。 みんな水の底で生きている水棲生物。そこにもまた序列がある。映像作家である著者の初小説とのことで、末恐ろしさもある。 - 2025年10月25日
すべての、白いものたちのハン・ガン,斎藤真理子読み終わったようやく読めた。小さな小さな連作短編集のような構成。巻末の作者の言葉も解説もとても面白く、もう一回読んだほうが良いのだけれど、さすがに。 白いものたちの短編で全体的に物悲しい。題材も生後2時間で亡くなった姉の生を取り戻すというような話なのだが、それによって自身が恢復するという希望の物語でもある。 誰か、必要としている人にとって宝物になるような一冊。ハン・ガン氏も本によって生かされているところのある方なんだろうと思う。 - 2025年10月24日
漫才過剰考察令和ロマン・高比良くるま読み終わった芸人さんの本が好きで、よく読むんだけれど、やっぱり文字になるとなんだかなぁ、と思うことも多い。この本は違った。普段のお笑いを文章にしているのではなく、読ませるために書いている文章だからなんだろうなぁ。 頭がよく考察もウンウンと頷ける。面白かった。 - 2025年10月20日
救われてんじゃねえよ上村裕香読み終わったR-18文学賞受賞作。3つの連作。タイトルがめちゃめちゃ良い。 ヤングケアラーとして母親の介護をし、父親に幻滅し、どうしたってしんどい。でもこの家族にユーモアがあり、主人公がふとしたことで笑ってしまったりするところに、読んでる側は救われる。と思ったところでこのタイトルが刺さってくる。 家を出て仕事を始めて、ようやく自分の人生を歩もうとしているあたりで少しほっとするものの、これで本当に救われてるんだろうか。まだまだケアラーであることに変わりはなさそう。 しかし文章が上手い。なんだか大物になりそうな予感。 - 2025年10月19日
本なら売るほど 2児島青読み終わった - 2025年10月19日
本なら売るほど 1児島青読み終わった - 2025年10月16日
イン・ザ・メガチャーチ朝井リョウ読み終わった流石、の一言。でも読んでいるあいだずっとしんどい。推す側の小説はだいぶ増えたが、推し活ビジネス側の目線はかなり新鮮。 自身は推しという概念がいまいちわかっておらず、振り返っても誰かを推した記憶がなく、まして推し活にも縁がない。好きな作家とか、野球選手とか、ミュージシャンとかはいるんだけれど。 推し活をしている様子は今のSNSをそのまま切り取っているかのよう。どんだけ解像度が高いんだ。雑談についての考察も面白かった。女性たちの、情報共有による連帯。とくに気にしていたわけではないけれど、可視化された感じ。 MBTI診断も避けていたけれどやってみたいと思ってしまった。わかってもしんどいだけなんだけれど。 - 2025年10月11日
趣都山口晃読み終わった
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