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はぐらうり
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@hagurauri-books
本にまつわる仕事をしています。 紙の本は主に透明書店、電子はhontoを使ってます。
  • 2026年5月26日
    なぜ日本文学は英米で人気があるのか
    村上春樹が英米で人気だった理由もわかったし、一強時代からの流れもよくわかって面白かった。 日本の女性作家が海外で売れている事象自体は10年くらい前からあったように思うけれど、近年は受賞も目立つように。 個人的にはサンマーク系の小説の人気ぶりが気にはなっていたが、英米で好まれてるヒーリングフィクションという位置付けなんだな。 世界文学も親しんできた身としては、日本文学が世界で読まれているのも嬉しい。
  • 2026年5月20日
    国宝 下 花道篇
    なるほど原作は映画とはかなり違っていたのだな。 これを映画でやろうとしたら倍の時間は必要だった。3時間でも短くなっていたのだな。盛り込みたいエピソードが多数あった。 上巻最初の違和感も、ずっと言及されてこなかったけれど、終わりで明かされて良かった。そして気になるエンディング。ここで終わるのが当然良いのだと思うので、幸せな結末だったと想像したい。 原作なので当然これが完成形ではあるのだが、映画も映画で素晴らしい作品だった。違うアプローチの正解が二つあるというのも、喜久雄と俊介のよう。どちらも素晴らしかった。
  • 2026年5月13日
    国宝 上 青春篇
    ここで切って下巻にいくのか! 映画はとても良かった。あまり観れないので原作が後になることも少ないけれど、違いが際立って映画さき原作あとも、それはそれで良い。 吉田修一は長嶋有の次に芥川賞を獲った人、という印象が強い。いちばん純文学を読んでいた頃だった。なので、そこからエンタメに流れていったことに違和感があったけれど、エンタメを極めたのだな、と思う。 映画のほうも長かったが、それでもだいぶ削ってたんだな。映画では強いセリフが残されていたけれど、もっと枝葉も残ってたらまた違う良さがあったようにも思う。商業的には大正解ではある。
  • 2026年5月8日
    授乳
    授乳
    『世界99』を早く読みたいのだが、村田沙耶香を時系列で追ってこそ良い、と誰かが言っていた。意外と『コンビニ人間』しか読んでいないことに気づき、読めるものはとりあえず読んでからでないと、と思ってしまい、ようやくその1冊目。まずはデビュー作。良かった。 短編・中編三部作。 表題作は、すでに母にコンビニ人間味がある。そう思われるの嫌かな。主人公の女子高生と先生の話のはずだが、母と父の存在感が際立つ。思春期の頃の、親に対する想いは、自分も今思えばとても暴力的だったと思う。今でもときどき、これは暴力的だったと後悔することがある。 コイビト 今読むと、大前粟生さんとか、『正欲』的なものの前身な感じ。当時はかなり先進的だったのでは。やはりすごい。 御伽の部屋 なんとなく内面にくる感じ。三部作とも同じものを描いている気がするけれど、より強く現れている感じ。 先は長いけれど、楽しい。
  • 2026年5月2日
    ほんとうのことを書く練習
    多くの人に読まれていて凄い。とても良かった。 「ほんとうのこと」を書いたときに、残るのが個性。残るものが自分にあるのか、とても心配ではある。でも残ったものそのものが個性なんでしょうね。 著者と同じような感じで本に救われてきたなぁと思う。希死念慮はそんなに強くなかった。けれど中学時代にいろんなものが嫌になって逃げ込んだ本屋で見つけた原田宗典に救われ、ずっと本に生かされている。本屋大賞発掘部門、嬉しかった。 書くこと、も仕事のなかでしばしばあるので、いつでも読み返せるようにしておこう。土門蘭、どんどん大きくなっていって嬉しい。
  • 2026年5月2日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    解説に、事前情報なしで読んだほうがいい、とあった。何も知らずに読めて良かった。楽しめた! 作者は映画「オデッセイ」の原作者とのことで、海外のとくにSF作家に疎すぎて困るけれど、映画原作のプロのような方だったのか。 皆の感想も読まずにいるのでわからないけれど、おそらく多数の人が書いているだろうこのセリフ。 しあわせ!しあわせ!しあわせ!
  • 2026年4月24日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    宇宙SFはどうしても「三体」シリーズと比べてしまうけれど、これは比較的読みやすい!入門的と言われているのもよくわかる。身構えて読み始めたものの、理論的な部分が過ぎると俄然面白くなった。長らく寝かせておいたけれど、せめて映画が始まる前に読んでおけば良かった。映画観る予定はないけれど。 昔は「MIB」とか好んで観ていたので、異星人が出てくるとどうしたってワクワクする。可愛く描かれていると嬉しい。かわいい。ストーリーをまったく知らないで読んでいるので下巻が楽しみ。
  • 2026年4月15日
    あなたの名
    あなたの名
    三島由紀夫賞候補作。二度目かな。今作も静かで、美しい。 表題作と、「二度目の海」という短篇。どちらも、記憶と記録がテーマになっていた。「あなたの名」は、余命宣告された母親と血の繋がっていない娘の物語。AIとして母親の記録を残しておきたい娘。 だいたいの小説は、世界観に浸かるまでがなかなか苦しい。こういうことをこう描いている、と理解するまでが、ややもすると苦痛でもあるなぁと思っている。 小池さんの小説は、物語に入り込むまでの助走が必要ない。物語のほうから入ってくる感じ。それが正しいのかはわからないけれど、少なくとも自分にとっては冒頭から好感がある。早くメジャーになってほしい。 レビューに「好きな世界観」などと書かれているものも多くて嬉しい。
  • 2026年4月10日
    あのころの僕は
    すごく繊細で、とても良かった。 小池水音さんはいまとても好きな作家で、いつか芥川賞を獲ると思っている。 5歳のあの頃の僕が、さらに小さいあの頃を必死に思い出そうとし、その5歳当時の記憶を、高校生になった僕が思い出す。その時々の記憶や感覚が、どれも愛おしいものに思える。まだ小さい、まだ今を記憶として残すことすらしないだろう息子がいるおじさんとしては、たまらん。 とても好きな文体。からだのなかにすぅっと入ってくるような。 今作は色が印象的。なんとなく、終わりの青、始まりの赤、なのかなと思った。
  • 2026年4月8日
    芸人人語 テレビは終わってしまうのか・高 市総理誕生・ピカソ芸は文字に限る!編
    前作では、太田光は優しい、と思ったけれど、今回も同じ。そして、太田光はフラットである、とも思った。できるだけ先入観とか信条とかを排除しようとしている感じがする。 自身は素人だから、と言っているけれど、とても勉強しているし、とても知っている。少なくとも素人以上ではある。 自分とはたまに意見の違うこともあるが、ほぼ同意できる考え方。そして感情的にならず、当事者にどんなバックボーンがあって、何を考えて行動や言動を起こしたのかを考えている。ラジオだと感情出まくっているけれど。笑 終始真面目ではあるが、ふわっと入るおもしろコメントが心地よい。
  • 2026年4月1日
    ラーメンと愛国
    2011年の発刊。最終章ではラーメンの未来について語るはずが、3.11によって不透明になり削除。 面白かった。ラーメンは中華料理の扱いで入ってきたのに、戦後闇市で屋台が興り、店舗を構え、インスタントの発明があり、いつしか日本独自に進化するように。 さらには地域主義から排他的ナショナリズムが乗っかりファッションとしての右傾化が始まる。 ラーメンをテーマに壮大な考察だったが、飛躍がないように思われる。地に足のついた書き方でとても好感。素晴らしい新書の書き手だと思う。
  • 2026年3月26日
    PRIZE-プライズー
    本屋大賞候補作。これで10作。村山さんは同窓だけれどやはり自分のテリトリーではないと思っていて読まなかった方。 面白かった。業界的に近しいので誇張もリアリティも理解できるところがあり、本書で固有名詞を出している文春を版元としているというのも意欲的。塩田さんもそんな感じだったか。 直木賞獲った人じゃないと書けない小説でずるい、という思いもありつつ、それでも自分の作品に自信がないと書けないような描写が多数。その境地に達したということなのだと思う。 揺れとか機微とかを描くのかと思いきや、後半で展開があったのが意外。
  • 2026年3月19日
    探偵小石は恋しない
    本屋大賞候補作。売れているのは知っていたけれど、タイトルとイラスト装丁から自分のテリトリーではないなと勝手に判断していた。本屋大賞候補になったので読んだら、めちゃめちゃ面白いじゃないか。 叙述トリックとかアンコンシャスバイアス系の話はいくつもあるが、見た目に反しバックボーンが割と描き込まれているし、ストーリーも練られていて欠点がない。あんまりトリックがわかった後も読み返したいと思うことは少ないけれど、これはまた読みたい。 本作にあるファンタジー要素は、タイトルと装丁と文体からもっとファンタジックに思えても良いはずなのに、妙な現実感があって面白い。
  • 2026年3月15日
    熟柿 (角川書店単行本)
    本屋大賞候補作。初っ端から心掴まれる。文章が良い。単語が良い。さすが佐藤さん。 ここからネタバレになってしまいますが、会えないんだろうと思っていた。会えたとしても、会わないんじゃないかと思っていた。だから会ったときに、これがラストじゃなかったことが怖くなった。 やったことは、とはいえずっと苦労してきた主人公のことだから、この先にまだ不幸なことがあるんじゃないか。 そこでこのタイトル「熟柿」だった。この先に希望というか生きていく意味みたいなものがある、というのは嬉しいことなんだな、と改めて。今日も息子のバイバイを見てから出勤できて良かったな、と。
  • 2026年3月9日
    さよならジャバウォック
    本屋大賞候補作。いまさら伊坂幸太郎が候補になるのか!と驚いたが、新人賞でもなんでもなく売りたい小説、だから良いのか。 SFミステリでもあり、いつものアクションエンタメでもあり、面白かった。真に迫ったと思ったら委ねる、みたいないつもの描き方。だけどずっと違和感があった(目線は進むんだけどストーリーが腑に落ちてこない)のは、叙述トリックがあったからか。8割読んでもどう着地するのかわからなかったのも、読了してみれば納得。 他人と過去は変えられない。だけど、自分と未来は変えられる。よく言われるというこのフレーズが好きです。そこで自分を変えよう!となかなか動けないのも自分。
  • 2026年3月4日
    殺し屋の営業術
    本屋大賞候補作。著者は漫画原作なども手掛けている方とのことで、コミカライズや映像化に向いた小説だった。良いエンタメ。 稀代の営業マンである鳥井が、殺し屋に攫われるけれどその手腕で殺し屋稼業の営業としてノルマ達成を目指す。これは設定勝ちでした。面白い。 トリックの善し悪しはあまりわからない。出来過ぎな気もするし、叙述トリック的なところは「!!!」ともなった。 ともすればコミカルになり過ぎる設定かなと思うけれど、ダークな面も描くことでファンタジー感が強くなかったところも良かった。
  • 2026年2月27日
    青天
    青天
    ANNであれだけ宣伝されたら、ラジオリスナーとして急いで読まなくては、となる。アメフト小説なんて、こんなことでもないと読まないだろうなぁ、と思いつつ。 読了の瞬間、タイトルを思い出す。そうだった。ルールは正直わからないものの、スポーツ小説として面白かった。身体の声を聞いてる感じ、体験した人にしかわからない感じが良い。あるよね、そういうの。 アキのセリフがどうしても著者の声で聞こえてくるのでしばらく戸惑ったけれど、かなり著者を反映させたキャラクターで、こういう人生、を描いたのだと思う。倫理的に、努力で、抗った。 これが一作目、という感じがする、なんとなく。これからどんどん驚くのだ、たぶん。加藤シゲアキのように。 書影、差し変わってないね。
  • 2026年2月23日
    エピクロスの処方箋
    本屋大賞候補作。スピノザ、の続編。医師の覚悟と患者の覚悟、の話であった。 何度も目頭が熱くなる。前作でも思ったことだけれど、映像で観たい小説。映像化されそうだな、はよく思うけれど、映像で観たいと思うものはほとんどないので珍しい。 そして、映像化されたらもっと泣いてしまいそうだけれど、本を読む時間が減ってしまうのでたぶん観ない。 往生を描くのが上手い。医師という職業柄なのかもしれないが。誰もが自分の親族を思い描いて涙腺にくる。それが嫌味じゃない。小説を読み始めた人にとって本当に良い小説。
  • 2026年2月16日
    ありか
    ありか
    本屋大賞候補作。 小説ってのは読む人の育った環境によって捉え方が大きく変わるもんだな、と。親とか元夫とか叔父とか、こんなことあるのかと違和感しかなかった。小説のなかの人だな、と。最初は。 まだひかりより小さい子どもを持つ親として、刺さる言葉が多かった。そして親とその親のやり取りがしんどい。最後に空の話が出てくるけれど、自分は子どもが生まれた日の空のことを覚えてないなと思い、気がついた。真夜中だったからだ。晴れてはいたが、都会の空で星も見えなかった。夏だけれど、気が動転して暑さも覚えてない。 三池さん、出だしからきっと良い人だと思っていたので、想像どおりで嬉しい。ウキウキ入院グッズは、いつか参考にしたい。自分の子でも、友人でも。最高だった。 三世代の母と娘の物語。良かったけれど、ちょっと玄人向けな構成だった。
  • 2026年2月11日
    暁星
    暁星
    本屋大賞候補作。 湊かなえさん、イヤミスの女王ということでずっと避けてきた作家さんだったけれど、ついに読むことに。本作はこれまでの作風とは、まったく違うのだろう。 現実のあの事件をベースにした、愛の物語。何周も回ってこのような形に着地したのだと思うけれど、かなりの苦悩があったんじゃなかろうか。 宗教の皮を被った団体の被害者と、その人物に殺害された被害者。どちらも加害者となる。結局のところ、どちらも悪い、目的が愛だとしても。葉間中さんの『家族』も愛だったな。 でも、宗教被害者側の情状酌量の余地として「想像力や言葉の力を持たない者の、最終手段」であったと言わせている。小説家や編集者、政治家などが多く出てくるので、どうしても対比していまう。言葉の力すごいけどね、暁。 言葉や対話ではなく力で制してしまったことはどうしたって肯定できないけれど、それでも救済したいという思いから書かれたものなんじゃないか。全然違うかもわからんけど。
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