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はぐらうり
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@hagurauri-books
本にまつわる仕事をしています。 紙の本は主に透明書店、電子はhontoを使ってます。
  • 2025年8月25日
    ババヤガの夜
  • 2025年8月25日
    女の子たち風船爆弾をつくる
    これは、わたしたちの「史実」。物語ではない。 毎日出版文化賞受賞。野間文芸新人賞候補。アジア太平洋戦争当時、少女だった方々を東京宝塚劇場を中心に描いていく。市井の、知らなかったエピソードが山ほど出てきて驚く。参考部も山ほどあるが、これまで語られなかった話も多く収録してされている。 同じ文章が何度も何度も出てくる。どこの時代のことを読んでいるのかわからなくなってくる。これは戦時中に同じことを繰り返していることの表れでもあるし、同じ苦しみを味わう少女たちがずっといたことの表れでもあるし、それでも同じように季節は移ろうことの表れでもある、と思った。 時系列で話は進むものの、構成力と取材力は凄まじいものがあった。夏の間に読めて良かった。
  • 2025年8月14日
  • 2025年8月8日
    月ぬ走いや、馬ぬ走い
    群像新人文学賞。まだ大学生とは思えないが、だからこそこの勢いで書けたのだろうとも思う。 タイトルは、沖縄の黄金言葉(くがにくとぅば)とのこと。ことわざみたいなものか。今は「光陰矢の如し」に近い。凄惨な歴史を持つ沖縄をスピード感をもって描いている。 14人の語り手がいたのだと後から知った。沖縄言葉は難しいものの、最近いろいろ読んでいたので魂をマブイと読めるくらいの理解度で読めた。マブイ込めをするんだよね。 そんなに長い小説ではないけれど、これはもう歴史小説なんだろう。いくつもの暴力によって抑圧されてきたかの地の戦中から現代まで。
  • 2025年8月7日
    月ぬ走いや、馬ぬ走い
  • 2025年8月4日
    舞台には誰もいない
    俳優の話。なので違う職業の自分には共感するところはない。主人公は根っからの俳優、ということで、演じることは仕事ではなく人生である、という人なのだけれど、俳優になってはいけなかった人。 岩井圭也さんはカメレオンのような作家で、作風が読めない。ので単行本派の自分としては毎回、ギャンブルをしている感じになる。 毎回、面白いのでそこはギャンブルではなく鉄板ではあるのだが、今回入り込むのは難しかった。珍しく他人の物語ではあった。 主人公本人は、もしかしたら救われているのかもしれない。読んでいるこっちはなかなか救われないなぁ、と思った。苦しい小説。
  • 2025年8月1日
    舞台には誰もいない
  • 2025年7月31日
    いい子のあくび
    芥川賞受賞後第1作。第74回芸術選奨・文部科学大臣新人賞文学部門受賞とのこと。 こういうナイーブな感情は女流作家に得意な人がいるが、男性にあまりいない。そういう意味では小池水音さん、大前粟生さんあたりに第一人者になっていただきたい。男性もあるんだよ、とわかってほしい。 表題作の中編と、2つの短編。「末永い幸せ」がぐっときた。人の結婚式で感じたことはなかったけれど、しきたり的に行われるセレモニーに違和感はあって、自分のときはすべて辞めさせてもらった。ファーストバイトとか、親への手紙とか。同じ感覚の妻であって良かった。 感じ方は人それぞれ。批判とか、排除とかではなく、理解し、対話すること。なんでそれができない。選挙のあとはいつもつらい。
  • 2025年7月27日
    理想の職場マネージメント
    23年の春先に発刊されてすぐに購入したしたものの、読めていなかった。こういうのはすぐに読んだほうがいい。今読んでも面白いんだけれど。 21年、22年と連覇したスワローズ。3連覇に向けてキャンプに入る前あたりでまとめられたもの。まさか5位になるとは思ってもいなかったが、それもスワローズらしい。 高津監督は現役時代から好きで見ている選手。真中もそうだが監督になるとは思ってもみなかったけれど、とても良いリーダーだと思う。今は成績が低迷しているが、楽しく野球をやってほしい。
  • 2025年7月22日
    カフェと日本人
    10年ほど前に発刊された新書。サクッと読めた。 10年前はスタバ全盛、サードウェーブが数年前から流行っていたり、セブンから始まるコンビニコーヒーが当たったりと、コーヒーの飲み方が変わってきた頃。 使ったことこそないけれど懐かしい名前の談話室滝沢の話だったり、『乱歩と千畝』に出てきた田谷力三が出てきたりと、とても興味深い。 最近コーヒーを飲む量が増えてきたので、少しセーブしたほうが良いのかな。
  • 2025年7月21日
    鳥の夢の場合
    鳥の夢の場合
    芥川賞候補作。いちばん芥川賞らしい作品だったと思うけれど、受賞ならず残念。デビュー作が芥川賞、というのがもっとも純文学作家らしくて良いんだけどなぁ。 身体的な間隔や事象の受け取り方が新しい。新しい、というのは、若い小説を読んでいるときはだいたい「その感覚、あったな」と思うことが多いのに対して、本作は「思ったことなかったな」という感覚だったから。世代がさらにずれてきているのか。 殺す、というのは何かの比喩か、と思って読んでいたら、割と直接的だった。生きていることや内部が受け取ることとの感覚のズレみたいなものを「夢」といっているのかな。終始ふわっとしている不思議な小説。おそらく文字を追うのがたいへんだろうけれど、少し酔いながら読むのをおすすめする一冊。
  • 2025年7月16日
    乱歩と千畝
    乱歩と千畝
    直木賞候補作。時代小説枠ということになるのだろうか。ただただ面白いエンタメ。 序盤からもう楽しい。まだまだ先は長いのに、ゆっくりと文字を追いたいような小説。江戸川乱歩は、出身の立教大学の向かいというか隣に館があるので、親近感しかない作家。とはいえ子どもの頃しか読んでなく、そういう人は多かったんだろう。 乱歩も千畝も、望んでいた人生ではなかったものの、そこで咲いた人たち。影響力は大きく、後半のアベンジャーズ的な描写は筆が走った感じもありつつ、実際そうなんだろうし、楽しい。 小説って、探偵小説っていいよね、ワクワクするよね、みんなしたよね、と笑みが浮かんでしまう。
  • 2025年7月11日
    Nの逸脱
    Nの逸脱
    直木賞候補作。ミステリーであり、ホラーでもあり、最後はドタバタコメディー風でもある不思議な作品。かなり読みやすい。 これも隣人(とかその周辺)の話で、他の候補作と似た要素がある。Nというのは日常とか、いくつかの意味があるのかな。 世にも奇妙な〜、からおかしな力を抜いた、人間の奇妙な部分を集めたような感じ。
  • 2025年7月8日
    嘘と隣人
    嘘と隣人
    直木賞候補作。 『夜の道標』という作品の続編?スピンオフ?という立ち位置のよう。初めて読む作家さんなので、これから読むのが良かったのかどうか。 それぞれは短編仕立てだけれど話は繋がっているので読みやすい。警察を定年退職した男の話。ある意味警察小説ということで同じ候補作の『逃亡者〜』と近いが、こちらは退職しているというところが面白い。ちょっと前に退職した刑事の良い小説を読んだなと思い遡ったら、なんと柚月さんの『慈雨』だった。 イヤミスと聞いていたけれどそこまでではなくて安心した。そして装丁が良い。どこかで見たことのある場所、と思って調べたら西日暮里だった。 作中の技能実習生が幸せになることを願う。
  • 2025年7月7日
    ブレイクショットの軌跡
    奇跡の構成力。 直木賞候補作。結果的に今のところ全著作を読んでいることになるけれど、逢坂さんはとんでもない小説家になってしまった。要素が多すぎるはずなのにまとまっている。内容もむちゃくちゃ示唆に富む。 舞台が日本になってどう転んでいくのかと思っていたが、中央アフリカの章でこれまでのらしさも挟まれている。宮内悠介さんのように、なかなか日本人には描き切れないような世界を書ける人だと思っていたが、なんでも書けるのかこの人は。 著者の考え、かどうかはわからないけれど、登場人物たちが語ったり考えていたりする内容は自分と近く、また安心する。ラウドなマイノリティに負けず(という表現は良くない。受け入れ)、声をあげることが大事。彼らは声をあげることにしたんだから、続かないと。 受賞して、腰を据えて良作を産み続けてほしい。
  • 2025年7月1日
    踊りつかれて
    踊りつかれて
    誰かが死ななきゃわかんないの? 直木賞候補作。壮絶な過去を書かせたら右に出るものはいない塩田さん。かなり面白いけれど、あとは直木賞のテイストと合うかどうか。 誰かが死ななきゃわからないし、喉元過ぎればなんとやらで終わりがない。自分も各種SNSのそういう雰囲気が嫌で、Readsに逃げ込んだ。このところこれを題材にした小説も増えてきた。 相変わらず取材量が凄いんだろうな。とにかく事象がリアルに過ぎる。登場人物が多いもののそれぞれの人生がそこにあることがわかる。 大作を読ませていただきました。
  • 2025年6月24日
    踊れ、愛より痛いほうへ
    芥川賞候補。文藝で読了。 純文学だなあと思う。向坂さんの小説は、カテゴライズするのが難しい。いや、ふさわしいものがあるんだろうけれど、まだ言語化できない。幼い頃のちょっとした感覚を、ずっと覚えているような小説家。 自分の理解を超える出来事があると、「割れる」。人とは違う、そういった体験。自分の似たような経験だと、自分をかわいそうだと思うと左の薬指がジンジンする、というものがあった。30歳くらいでなくなった。 思春期とはまた違う、若さならではの体験が読めるのはこの著者だけのような気がする。面白かった。
  • 2025年6月23日
    トラジェクトリー
    トラジェクトリー
    芥川賞候補。文學界にて読了。 単行本には短編も入っているようなので、それはまた。 さながら文学版「ロスト・イン・トランスレーション」。あの映画は好きではなかったが、この著者から見える日本は嫌いになれない。共感できるところが多々ある。日本人がみる、外国人からみた日本、を意図的に書いている可能性もあるけれど。 文体も落ち着いていて、読みやすく、違和感もない。母国語じゃないんだろうと思うので、これはすごい。 よく言われていた当事者性も十分にあり、この著者でないと書けない作品。英会話教室での出来事とか、ネイティブ同士の飲み会とか、目に浮かぶ。今回の候補作はまだ2作めだけれど、これは有力なのでは。
  • 2025年6月22日
    たえまない光の足し算
    芥川賞候補。これもまた居場所の物語。文學界で読了。 「へや」が居場所のことなんだと思った。自分は居場所の物語が好きなんだな。 風景などの擬人化が特徴的で多用されている。というか、すべてが比喩とか暗喩のよう。異世界のような世界観だが、細部がギリギリこの世界であることを保っている。トー横とか、歌舞伎町のイメージ。 主人公は居場所を見つけ、救われている。けれどいつまでもそうではない。受賞するかはわからないけれど、受賞インタビューを聞いてみたい。
  • 2025年6月17日
    SLAM DUNK 新装再編版 20
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