阿久津隆 "土にまみれた旗" 2026年5月19日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2026年5月19日
土にまみれた旗
p.112 その夜、夕食のとき、オールド・ベイヤードはローストマトンごしに孫を見やった。「ウィル・フォールズから聞いたんだが、おまえは今日、救貧院の坂道で、あの男を時速四〇マイルで追いこしたそうじゃないか」 「四〇だなんて、馬鹿馬鹿しい」とミス・ジェニーが即答した。「五四マイルでしたよ。わたしは見ていたんだからね、あの―何といったかね、ベイヤード?―スピードメーターを」 ヤング・ベイヤードは帰ってくると車狂いというかスピード狂いになって日々車をぶっ飛ばして街の人を驚かせていたが、ミス・ジェニーは一度助手席に乗ってみるとそのスピードをいたく気に入ったらしく、それからはよく一緒にドライブに出かけるようになった。なので孫を擁護するというか甥をからかう、滑稽な場面。 彼女はヤング・ベイヤードからすると大叔母ということだろうか。もうひとつ上になるのかな。きっとあるであろう家系図を見れば一発でわかることだが、なんでなのか僕は見ようとしない。ともあれおじいちゃんの叔母というのは、なんという言い方になるのだろう。大大叔母。変換されたから、これだろうか。おーおーおば。
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