
人工芝
@_k55y
2026年6月3日
星がひとつほしいとの祈り
原田マハ
読み終わった
生きていると、どうしても手に入らなかったものや、もう二度と戻らない時間がある。それでも人は誰かを想い、誰かを許し、そして前へ進もうとする。その姿がとても優しく描かれていて、何度も胸が締めつけられた。
大きな出来事ではなく、何気ない言葉や記憶の中にある愛しさが心に残る。だからこそ、読み終えたあとも登場人物たちの人生がどこかで続いているような気がして、しばらく本を閉じることができなかった。
「叶わなかった願いも、その人の人生の一部になる」
そんな余韻が静かに胸に残る。誰もが心の中にひとつくらい叶わなかった願いを持っている。その願いは消えることはなくても、いつか優しい光に変わるのかもしれない。
夜空に浮かぶ星のように、遠くても確かにそこにある想い。その輝きをそっと見つめ直したくなる、温かくも切ない一冊だった。


