久保みのり|書店よむにわ "富士山" 2026年6月2日

富士山
富士山
平野啓一郎
ルーシーは、英雄である。しかし、彼女はそのことに気づいておらず、周りの誰もそう思っていない。つまり彼女は、文学の対象であり、小説の主人公の資格を立派に備えているのである。(p.155 ストレス・リレー) 表題作の「富士山」と、この「ストレス・リレー」が好き。有り得たかもしれない人生の中で、なぜこの人生だったのか?いわゆるターニングポイントとは何なのか。はっきりと「選択」があったというよりは、「それしか選べなかった」と感じた。分岐点に思いを馳せる本だけれど、分岐点から今までの道のりに目を向ける方が個人的には好みかもしれない。
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