
杉野ひこ
@suginohiko
2026年6月10日

それは誠
乗代雄介
読み終わった
特に仲良くもないクラスメイト達と組むことになった修学旅行の班。どうしても東京で訪れたい場所があった主人公・佐田誠へ踏み込みすぎず、でも知恵を絞り協力できることは思いっきり協力する、皆が眩しい青春の一日の大冒険。
班行動の計画時や当日の秘密行動でちょっとずつお互いの距離感が変わっていくところや、なにしろ秘密行動なので証拠は何も残さず、誠が旅行後に思い出しながら書き残している体で記された文章の強がりと感傷が含まれている雰囲気が好ましい。
周りには聞かれたくない話をする時、パソコンにテキスト打ち込んで班のメンバーがモニタを見てやりとりするシーンや、旅行中に「誠の笑顔の写真を沢山撮った人が優勝」という賭けを班の他メンバーがしていたところ、なんだかいいなあ。
…他の子達の心にはこの日の出来事がどんな風に残っていくのかもちょっと気になる。
鉄道小説アンソロジーで印象的な作品を書いていて気になった作家さん。
この作品も大冒険の小道具として鉄道が効果的に使われている。
鉄道をメタファー(レールの敷かれた人生とか始発駅終着駅乗り換え駅を人生の転換点にたとえるとか)に使わず、移動手段としてお好きな方なんだと感じました。



