
和月
@wanotsuki
2026年6月3日

BOXBOXBOXBOX
坂本湾
読み終わった
霧のたちこめる宅配所で働く作業員たちの物語。
靄がかった空間と、レーンにひたすら流れてくる無数の箱、淡々と仕分けをする人々。作品全体が無機質な気配に包まれているが、時折ふつふつと積もり続けた感情が爆発したかのような濃い描写が表れる。だがその場面も流動的で、再び霧の中で見えなくなる。
なんとも形容し難い閉鎖的な世界が息苦しく、読んでいると新鮮な空気が欲しくなる。
読書でハッピーになりたい!みたいな気分の時にはオススメできないが、感情の煮凝りを文学的に浴びたい時は是非読んでみてほしい。
人間が単純作業の肉体労働を続ける中で、視野狭窄になり、段々と生活や感情の歯車が狂っていく様子が丁寧に描かれている。
結末含め面白かった。


