
由月
@yutsuki
2026年6月4日
読み終わった
とても面白かった。晩年のドイルが心霊主義に傾倒していたことは知っていたけれど、その背景に精神疾患を患った父親の存在や、家族や親しい友人との度重なる死別があったことは知らなかった。亡くなった大切な人たちと再び言葉を交わせると信じることは、彼にとって大きな慰めだったのだろうと思う。
生きていると辛いことや理不尽なことはたくさんある。だからこそ、そうした世界に心惹かれる気持ちは、単純に「非科学的だ」と嘲笑できるものではないように感じた。
ドイルが死後の世界を信じたまま、「私はたくさんの冒険をした。これから新しい冒険に行く」という趣旨の言葉を残して亡くなったという話も印象的だった。どこか、私が好きなシャーロック・ホームズ作品の読後に感じる晴れやかさと重なるものがあった。
また、ホームズのモデルとして知られる恩師のベル博士が、ドイルの選挙活動の応援演説をしていたというエピソードも面白かった。師弟のつながりが感じられて、なんだか嬉しくなった。
それにしてもドイルは本当に色々な冒険をしてる。船医になって航海に出たり、作家として名を挙げたり、軍医として戦争に行ったり、選挙に立候補したり、勲章貰ったり、まだ目新しかったスキーだの自動車だのを乗り回し、家畜殺害の容疑で捕まった青年の罪を晴らすため捜査をしたり。有名な「アガサ・クリスティ失踪事件」の時もクリスティの手袋を借りてそれをサイコメトラーに見せて捜査したりしていたらしい。バイタリティが凄すぎる。小説の中の人物か?