辰巳 "昼間のスターゲイザー 占いと..." 2026年6月4日

辰巳
辰巳
@divinus-jp
2026年6月4日
昼間のスターゲイザー 占いと心理学の対話
(占い)界隈では連載当時から話題になっていた対談本が本にまとめられたので『昼間のスターゲイザー』、拝読しました。 「買う」のは決まっていたので、せっかくなら、サイン本があるという書泉グランデさんで。 書泉グランデは、東京の神保町にある本屋さんで、この本のなかでも、東畑開人さんに「野生の知性」と評されている本屋さんです。 私にとってもその通りで、目的の占いの本をみつけて、ふと振り向くとブルーバックスがずらっと並んでいて、それがまた、目線のちょうど先に、チラッと目にして気になっていた今月の新刊がこっちを向いているので、ついそれも買います。 なんというか、わかってらっしゃるというか、私をはめようとしてるでしょ、棚のつくり。 占い本はたいてい、実用コーナーにあってお料理の本のとなりにあったりするんですけど、書泉グランデでは違うのです。 そのある意味、「意図をもったカオスな状況」というのは、この対談と同じ。 そして当然ながら、並びには『野の医者は笑う』という東畑開人さんのご著書があります。 2015年8月の出版です。沖縄の民間療法師(野の医者)を取材・体験するフィールドワークのご著書です。 なかには、東畑開人さんご自身のストーリーもあって、正規の大学雇用があり、このご著書の前後でキャリアが大きく変わっておられます。 だがしかし、です。 2023年9月出版の文庫版のあとがきに書かれておられるように、「いろいろとあった」あとに現在では、臨床心理学者であることは変わらないのですが、アカデミアの世界を離れご自身のカウンセリングルームを開業し「野の医者」になっておられるのです。 あらま。 この『昼間のスターゲイザー』はこの『野の医者は笑う』の占い師からのアンサーソングのようです。 『野の医者は笑う』のなかから引用します。 「占いはごく身近な治療文化である。(略)とは言え、占い師にチャーミングな人が多いのもまた事実である」 ありがとう。 そして、対談のお相手は、俺たち私たちの、チャーミング代表の鏡リュウジさん。 鏡リュウジさんのご著書、対談もいくつも拝読していますが、この対談は鏡リュウジさんの前のめりかげんがすごい。 私は占い界隈なので、むしろ、鏡リュウジさんサイドであるのでしょうけれど、東畑開人さんの「それで?それで?」にのって、鏡リュウジさんに聞いているサイドにいて読んでいました。 占いについては、東畑開人さんがXにポストされていたこともあります。 オンライン講座に鏡リュウジさんがコメントを入れたときの事です。 「ユングが占星術のことを「心理学の姉」と言っているように、宗教、シャーマニズム、占いと心理学は親戚ですね。ときに険悪になることもあるが、同じ遺産を相続している親戚。」 https://x.com/ktowhata/status/1923530734821888162?s=20 本の表紙の帯には「混ぜるな危険」の文字があります。 占いはその昔は政治・軍事の手段であり、また医学の基礎でもあったように、心理ともごく最近まで、おなじお家に育った姉妹なんだと思います。 なので、やっと別れたのだからこそ、混ぜてはいけない。 姉妹、親戚だけど、だからこそ、混ぜてはいけない。 相続で骨肉の争いをするのは親類縁者です。財産と気持ちをぐちゃぐちゃにしてる。 そして、カインとアベルに始まるように、似てるからこそ「お兄ちゃんと間違わないでくれ」の確執もそこにあるのです。 でも、姉妹だからこそ、どこが似ているのか、どこが違うのかはエキサイティングになります。 私は医学は科学の一番、端っこにいると思っています。 薬の効果を判定するやり方に、二重盲検法というのがあります。医療用医薬品、薬の説明書き(添付文書)にも示されているデータです。 それは、実験を受ける者と試験実施者(医師や評価者)の双方が、「投与されているのが新薬か、偽の薬(プラセボ)か」を知らない状態にして試験を行うものです。 なぜ、両方知らない必要があるか? それは、実験を受ける者だけが知らないとしても、それを与える実施者のわずからニュアンスが影響を与えるからです。 つまり、偽の薬でも、結構な効果がでるのです。 びっくりするくらい大きいです。 なので、薬の有効性を示すために、この二重盲検法が使われます。 さらに、なんだかわからないけれど、よくなった、という経験が先年以上、積み重なってやっと分析されていることもあります。 漢方です。 なので、長い時間を経て、分析されることもあるし、 そんな先の話でなくとも、やっぱり疾病に対して「治そう」という気持ちが大事であることは、どの臨床でも変わらないと思います。 なので、理論や理屈から外れるのが人に関わる科学、医学、臨床心理学だと考えている野の姉妹の一人なので、科学なのか?はわりとそこまで目くじらたてることもないんじゃないの?とゆるく考えています。 しかし、例えば年上のお姉さんの占いの館が、様々なアトラクションもある海辺だとしたら、カウンセリングルームは深海。 占いは、「ここから先は急に深くなりますよ」を知ったうえでのアトラクション性のなかにある。 占いの館にはあのベールをかぶって水晶玉を覗いてる人はいないんだけど、あのイメージも引き受けることで安心感はある。 一方で、この本のなかで東畑開人さんがおっしゃっているようにカウンセラーはワイシャツにジャケット。 そのファッションで、深海にいながらも、ここは普通のところだよ、という命綱を示している。 でも、どうしても急に冷たい水が身体をさらっていくこともあるし、投影を引き受けていくこともある。 そうしたなかで、なぜ、占うのか?なにが良い占いなのか? 全員、アトラクションを求めているわけじゃないのだからこそ「アクションをする勇気を出すための準備期間」(鏡リュウジさん)は、今回、山ほど貼った付箋のなかでもひとつ、飛び抜けていました。
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