たなくら "一九八四年 (ハヤカワepi..." 2026年6月4日

たなくら
@Ink_03
2026年6月4日
一九八四年 (ハヤカワepi文庫)
一九八四年 (ハヤカワepi文庫)
ジョージ・オーウェル,
高橋和久
自分の中の暗く深い穴の底に、この本という存在が冷たく沈んでいる感覚。 深掘りできないような、したら自分が壊れる様な…ページをめくる度に隣り合わせの恐怖を感じた本。 これは自分達の日常に潜む問題であり、人の感情を元にした人間の業であり、支配構造と恐怖の円環システムの証明の様に感じた。 上層部がなぜ支配政治を行うのか?それは過去に中間層が反逆し立場が逆転したから。つまり上層部もまた、常に支配される恐怖を抱いている。だから叩かれる前に叩けという支配構造が生まれてしまう。上層部が悪いとも言えないし、主人公が完全な悲劇のヒーローだとも…はっきり言えないかもしれない。ただそれぞれの感情や能力が社会の中で複雑に絡み合い、悲劇が作られているという感覚。 真実の追求は時として他者を恐怖や絶望の縁に立たせてしまう。そして誰かを苦しめる引き金にもなり、救う手立てにもなる…。 直視するには羞明すぎて、焼き尽くされ失明してしまう様な…そんな本だった。
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