きらた "新装版 匣の中の失楽" 2026年6月5日

きらた
きらた
@kirata
2026年6月5日
新装版 匣の中の失楽
現実と虚構が入れ子構造になり、章毎に世界が反転し続け、読者を翻弄する奇妙な物語 滅茶苦茶端的に言えば、衒学と幻想がミックスされたアンチミステリ作品、かな? アンチではなくメタかも知れない (‥アンチミステリ、メタミステリと言いたいだけだろ私←アッ) 大学生や高校生、知人が知人を誘うような形で形成されたミステリ愛好家仲間12人 彼らは自分達の事をファミリーと呼称し頻繁に顔を合わせていた ある日、ファミリーの1人ナイルズこと成が、仲間をモデルにした実名小説を書くと言い、最初の犠牲者を曳間だと告げるのだが、それが予言だったのか、密室で曳間の遺体が発見される しかしその密室は《さかさまの密室》だった── 現実と虚構(ナイルズの書く小説)が章毎に切り替わるのだが、章が変わる毎に前の章こそが小説だと書かれ、どちらが現実でどちらが実名小説なのかがわからなくなっていく しかしどちらの世界でも彼らが行っているのは各々の蘊蓄をばら撒きながらの推理合戦 散弾銃のように繰り出される推理は死をもて遊ぶかのようで、どちらが現実でも構わない様な気にもなってくるが、気付くと読者もこの曖昧とした世界に組み込まれているような感覚に陥る 霧の中からはじまり霧の中に溶けていくこの話は、ミステリに耽溺する人々に対する警鐘なのかも知れない? ‥と、今回の再読でそんな事をぼんやりと感じた気がします 登場人物がミステリに絡め取られて推理を繰り返した結果、仲間はバラバラとなり自らのアイデンティティすら見失ってしまった、って感じに読み取ったので‥(浅い読み方だなぁ私) いつも雰囲気で読んでいてすいません‥ 巻末の解説を読むとへーへーへーの連続なのですが、今思い返すと理解出来た気は全くしない恐怖 私、脳みそつるっつるなんじゃろな _(:3 」∠)_ 今回もさっぱり理解出来てないと思ってますけど、読書中の困惑や読み終わった後に感じるこの酩酊感と言うか茹だった感覚が何というか‥面白いんですよね 頻繁には読めませんけども(難解すぎて) って言う作品でした (難解すぎるとは言っても、文体自体は読みやすいってのが曲者だと個人的には感じます) (理解出来てないとわかっていても吸い寄せられる魅力があると言うか) (因みに、本書を読む前に〈三大奇書〉は読んだ方が良いみたいです) (私は未だに『虚無への供物』だけは未読ですが‥読むタイミングか無くて‥( ๑´•ᴗ•ก)՞ ՞) 本作に収録されたサイドストーリー「匳の中の失楽」は初読みでした ‥読んでいたら、なんか切なさに似た気持ちが湧いてきたのは何故なのか‥(ŏ﹏ŏ。)
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