
nogi
@mitsu_read
2025年3月23日

星の牧場
庄野英二
読み終わった
まぼろしなのか、ゆめなのか、ほんとうなのか。
うつくしくて、緑や花のにおいがする物語のなかに、私は、ずっと息苦しさを感じて、モミイチがずっとみずのなかで、あの船のなかで、溺れてもがいているような感じがした。
もうツキスミはいないんだよと言ってしまいたくなった。
夜が明けて、モミイチはどんな気持ちで牧場に帰って行ったのだろう。もうツキスミの蹄の音は聞こえないだろうか。聞こえたとしても、さまようことはなく、生きてゆけるだろうか。
何度も読むと、その度に感じるものは変わるのだろうな、と思った。



