和月 "信仰" 2026年6月6日

和月
和月
@wanotsuki
2026年6月6日
信仰
信仰
村田沙耶香
現時点、名刺代わりの小説10選はなんですか?という問いに答える場面があれば確実に挙げる作品。 コンビニ人間面白かったし、短編で読みやすそうだし読んでみよ〜と気軽に手に取ったら年間ベストどころかここ数十年で出会ってよかった本ベストに入りそうでビックリ。 こういう突然雷に撃たれるような出会いがあるから、読書って止められない。 自分の中に根付いた常識や正解という強い概念、圧力、枠組みをがたがた揺さぶられて、それが痛気持ちいい。 村田沙耶香さんが描く世界や存在の、無機質でシステマチックな人間臭さが好き。冷たいやさしさが愛おしくなる。 どのお話、エッセイも心に響いたけれど、「彼らの惑星へ帰っていくこと」は心底読めてよかった。 この言葉たちと出会わずに一生を終えなくて、本当に良かった。私も私の「宇宙人」との時間を大切にしたい。 心や体に浸透する文章が多すぎて、感想を言葉で表現することが難しい。例えば、洗脳ではない!と声高に主張するその言動が洗脳ではないと何故言い切れるのか?とか。私が私に刃を向けて、傷つけて、殺して、宥めて、抱きしめてあげる。均一と混沌が同居する「私」を、好きでいてくれる友人達を愛すること。 全部の言葉が、踏むと血が出る硝子の破片であり、宝物のかけらだった。 何度も読み直したいし、私の人生に刻みたい作品。
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