信仰

110件の記録
- とりもも@torimomo2062025年8月20日買った読み終わったこの方の本を初めて手に取りましたが、村田ワールドと言われている意味がよくわかりました。 ショートショートで読みやすく、うっすら人間が嫌いな私にとって、とても大好きな世界観でした。いやもう本当、世の中は『信仰』だらけですね 文庫版は追加要素でエッセイが入っています。繊細で傷つきやすく優しい方なんだなと思ったと同時に「ねんりょ」に苦しむ日々にリアリティがあって、なんともいえない読後感となりました。
- あいすま@asuma-konchiwa2025年8月12日読み終わったあらすじに引かれて読んでみた。 一つ一つの物語の設定にハマっていく瞬間に終わっちゃうのが名残惜しかった~。(短編だからね) 個人的には、イラストレーターの西造さんの絵柄で脳内再生された。 なんとなーくだけど、 自分が異端だと自覚があって周りから浮かないように必死に適応していこうとする焦燥感と、 自分が知らないところで知らないうちに死んでいく生命があって、その犠牲の上で成り立っている社会に対する抵抗(?)みたいなものが作品にあるのかなと感じた。(2つは少し繋がってるかも?) 『コンビニ人間』とこれしか読んでないから、全然違うかも!もっと読ませていただきます。
- ぱち@suwa_deer2025年8月5日読み終わった『世界99』読書会に向けてやはり読んでおいた方が良いだろうと思い、単行本は前に読んでたけども再読。 以下、収録作を抜粋しての簡単な感想メモ。※ネタバレ含む。 「信仰」 それ「原価いくら?」が口癖での主人公。 子どもの頃はまだよかったが大人になるにつれて友人や恋人が離れていく。 そんな状況から自分を変えるべきなんじゃないか?と思い、高校の同窓会をきっかけに、一緒にカルト商法をやろうと誘う同級生にわたしを洗脳してくれと提案するという物語。 物心ついた時に刷り込まれた「世界観」を消去することは可能なのかどうか。 村田作品で主人公がある種の出自を語る時に「世界から産まれた」という風な言葉を使うけれども、それほど世界とわたしとが一体になっていて、それを分かちようもないのものとしての比喩として「信仰」という言葉が出ているのかなと思った。 「生存」 個々人のお金を稼げる能力に対応して生存率がランクづけされている社会。 Cまではギリギリ都市社会で暮らせるが、D以下になると「野人」となって自然環境で生き延びなければならなくなる。 しかもいわゆる「人新世」で自然災害が激化していているという状況。 主人公のランクはDよりのC。 交際相手のランクはAで、ふたりで「生存率」を測定してもらうのだが、ふたりの交際を続けると生存率は著しく低下するという判決が出る。 恋愛よりも生存率の方が判断基準が高い世界であり、主人公は二重の意味で「世界を受け入れる」結末が印象深く残った。 まるであらかじめ決められていたことを知っていたかのようだ。 変えようのない世界で生きるというのは、ひとつだけの運命を生きるということなのかもしれない。 「土脉潤起」 ひとつ前の収録作「生存」と対照的な作品。 「野人」となった姉が暮らす山へたびたび様子を見にいく主人公の話。 「世界観」と「本能」との対比を描いているとも受け取れる。 「本能」と書いたがその描かれ方は普遍性を持ったものとしてではなく、「世界」におけるバグのようなものとして必然的に生まれるものように描かれている印象を持つ。 「書かなかった小説」 他の作家の作品を持ち出してアレだが今村夏子の「あひる」を裏返したような小説だと思った。 でも『コンビニ人間』のコンビニの店員にしろ、『世界99』のピョコルンにしろ、代替え可能な存在は絶えず村田作品にも登場する。 「世界」を存続させる上で何か犠牲となる存在が必要だという話になっているのだけれども、『世界99』においてはそれが世界を覆し得る存在にもなっている。 そしてこの小説ではまずもって「世界」以前の「家」を覆すものだというのを描いた物語になっているのだろうなと受け取った。 「残雪」 『世界99』を読んだ後だとあの人物の内面に通じるもの描いた作品に他ならないのではないか?と思わざるを得なくていろいろ感慨深かった。
- ev@ev2025年7月19日読み終わったエッセイの『気持ちよさという罪』が良かった。 「どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように。」
- 七@nnnn2025年7月19日読んでる夏子のクローンの話、『書かなかった小説』。 誰に自分を投影するでもなく、ぼんやりとこのシーンを眺めているような感覚。シーンが飛び飛びで書かれていて、その書かれていない部分を、描写の厚みとしてみた。
- muda@muda2025年7月17日読み終わった@ ジュンク堂書店 立川髙島屋店ハードカバー版の内容に「無害ないきもの」「残雪」「いかり」「書かなかった日記ー文庫版によせて」が追加収録されている。 はじめ短編が加わっていることを知らなくて、「書かなかった日記」から読んだらものすごいパワーをめらめらと感じて、(私は今村田沙耶香さんの文章を読んでる...!)と嬉しくなった。「いかり」ではよく書店で見かける『とるに足らない細部』の著者アダニヤ(アダニーヤ)・シブリーさんとのエピソードが綴られており、興味深く読んだ。
- なみだめ@nmdm2025年7月6日読み終わった信仰への理屈と、エッセイがとてもよかった。エッセイは自分の経験に基づいて心の引き出しが開いて泣くというよりも、著者の心に接続したような気がして泣いてしまった。ダイレクトに涙が出てきた。あと「鼻のホワイトニング」ってワードめっちゃ好き。
- ちゃーりー@charlies_books2025年7月6日読み終わった絶対に好きだろうなと思いつつ、今までなぜかこの人の本を読んでこなかった。 そしてやっぱり(?)好きだった。 繊細に言葉が積み重なって世界が作られてる感じ。 ずっと「ある」世界を言葉で伝えてもらっている感じ。
- 羽花@uka_dasuko2025年6月24日読み終わった世界99の上を読み終わり、下を読みながら信仰も併読していて先に読了。村田さんは普段からこういうことを考えているのだなとよく分かる1冊だった。生存、書かなかった小説、無害ないきものが特に世界99を感じた。
- Björn och Tiger@bjorn_och_tiger2025年6月10日読んでる『土脈潤起』の姉がぽう、と鳴くところでほうと思う。『オデュッセイア』の霊魂の群はちち、と鳴いていた。Googleカレンダーに二十四節気を表示する。
- nogi@mitsu_read2025年6月7日読み終わった寝る前に少し、と思ったら一気に読み終えていた 村田さんの小説を読むのはこれが初めてで、わたしの中ではチャレンジだったので、もしかしたら合わないかも、と思っていたけど、まったくそんなことはなかった いつも見てる世界を、いつも自分が当たり前に持ってると思い込んでいる感情を、別の視線で見たらこうなるのかというような、驚きと、共感と、腑に落ちる感覚があって不思議と心地よかった 小説だけだと思っていたのでエッセイも私小説のような、同じ世界観の中にあるような感覚で読んだ というか、おなじ地平線のうえにある世界なんだと、わたしのなかでは思えた p108 〝 私はとても愚かなので、そういう、なんとなく良さそうで気持ちがいいものに、すぐに呑み込まれてしまう。だから、「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。そして、自分にとって都合が悪く、絶望的に気持ちが悪い「多様性」のこともきちんと考えられるようになるまで、その言葉を使う権利は自分にはない、とどこかで思っている。〃
- t@tm_10332025年6月2日読み終わったSF要素のある短編たち。現実味がないなと思いつつ、こんな未来もありえてしまうのではないかと思わされた。世間がいう「普通」ではない世界に救われる人は自分含めたくさんいるんだろうな。 小説もおもしろかったけど、特にエッセイが好きだった。 多様性に対する向き合い方が良くて大事に読んだ。 凝り固まった価値観を壊してまた組み立てることは生きていく上で大切な作業だと思うし、村田さんの言葉にはそうさせる力がある。
- nogi@mitsu_read2025年6月1日買った@ BOOK GALLERY KOBUNKAN|ミナモア広島店本読むのに小説読まないよねってよく言われるしその通りで、なぜか自分でもよく分からないから、ちょっとチャレンジしていってみようの会
- もん@_mom_n2025年6月1日読み終わった心に残る一節@ 図書館3年半ぶりに読み返した『コンビニ人間』があまりにも面白かったので、2年半前に読んだ時にはいまいち理解できなかった『信仰』も今なら面白く読めるのでは…?と思い、文庫版を購入。結果、めちゃくちゃ面白かった。 基本的に現実離れした設定の物語は苦手だけれど、村田さんの文章で書かれると抵抗なくするする読めるのが不思議だ。 『生存』『彼らの惑星へ帰っていくこと』『残雪』が特に好き。『書かなかった日記』は言葉を噛み締めるように大事に読んだ。 村田さんの作品を他にも数冊購入したので、今月は村田沙耶香月間になりそう。 p.91 私は、誰よりも平凡な地球人になりたかった。それは、宇宙人であることがばれないように、用心深く地球人を演じ続ける宇宙人の姿と少し似ていた。違うのは、私はどこまでも地球人だということだった。私が帰る星はどこにもなかった。 p.113 どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように。今、私はそう願っている。何度も嘔吐を繰り返し、考え続け、自分を裁き続けることができますように。 p.155 感動は液体です。体の中を流れて、脳の汚れがざばざばと、あっという間に流れ落とされていきます。
- aiko@aiko-02025年5月11日読み終わった文庫で追加された「無害ないきもの」が究極にディストピアだった。滅びるときの言葉が「おやすみなさい」なのがなんだか好きだった。 エッセイも追加されていて、今までの作品の書き方が腑に落ちた。