シモン "オリーヴ・キタリッジの生活" 2026年6月7日

オリーヴ・キタリッジの生活
オリーヴ・キタリッジの生活
エリザベス・ストラウト,
小川高義
小さな港町クロスビーに住むオリーヴ・キタリッジとその周辺の人たちの連作短編。 オリーヴが主軸じゃない他の家庭の話にもちらと彼女が登場すると何だか嬉しい気持ちに。 このオリーヴ、人当たりが良いとは決して言えず(滅多に笑わない)、寧ろ恐れられて(嘗ては数学教師だった)いたりで家庭では恐妻家。逆に夫のヘンリーは絵に描いたような良い人。息子は1人。 章が進む毎にオリーヴも年を取っていく。普通に生きているだけでも人生は色々起きてしまう。 ニューヨーク在住の息子に呼ばれて行くまではオリーヴの肩を持って読んでいた。表面的には分からずともユニークな部分もあって魅力的な人に見える。だがしかし…ニューヨークでの息子との言い争いを聞いて(読んで)自分のオリーヴへの肩入れがすっと引いてしまった。その原因の一つにはその章で息子が同年代になったからなのかも。少年から青年の頃には何を考えているのかも分からずオリーヴと共に困惑。 オリーヴの息子への思いは真だと思う。だけれどどんなに愛して、どんなに手を掛けて育てても相手は1人の人間で1つの人生。思い通りに行く筈がないし、心配なのは分かるが。どんよりと重い気持ちになった。自分の現実と、そして自分の孤独であろう未来。今出来るは貴重な毎日を噛み締める事。分かってはいるけれど過ぎ去って失って初めてその尊さが身に染みるのだろうという事も分かっている…
オリーヴ・キタリッジの生活
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