本の王子さま "江戸川乱歩作品集 1 人でな..." 2026年6月7日

江戸川乱歩作品集 1 人でなしの恋・孤島の鬼 他
魍魎の匣の流れから押絵と旅する男が読みたかったんだけど無かったためこちらを借りてきた 初江戸川乱歩でした 読む前のイメージがすごく不気味な作品を書く人だったんだけどそんなに的外れなイメージじゃなかったかも? 短篇集なので5つの物語が読めました やっぱり印象深いのは後半の3つかなぁ 特に『蟲』と『孤島の鬼』 『蟲』は愛造の厭人病からの思考や感情が内側に向かう形からの暴走の流れが決して物語の中だけのものでは無いみたいに感じた いるいるこういうタイプの犯罪者ー!みたいな感覚を読みながら味わったというか 光太郎と芙蓉の逢瀬を愛造がストーカーするシーンで、前にどっかで見た「覗く為に壁に張り付いてる姿が蟲みたい」という言葉を思い出して、あれはこの話の感想文だったのかな?と思ったりした グロいのにまあよく読ませる文章で、最後ら辺のの愛造がおかしくなっちゃった(元からおかしかったけど精神崩壊という意味で)あたりの「なんだっけなあ、なんだっけなあ、なんだっけなあ」なんて秀逸すぎた ああ、愛造壊れちゃったんだ感すごかったほんとに 愛造、一生独りで生きてく分には無害な世捨て人で済んだんでしょうに 『孤島の鬼』は最終章の大団円の最後の文を読んで「大団円……何が大団円?言ってみろ」と心の中の鬼舞辻無惨様が真顔で言ってました どうしても主人公の蓑浦くんが好きになれない なんか男子校の姫(異性愛者)みたいなムーブしてるのが好きになれない 諸戸くんの気持ちに応えるつもり0なのにハッキリ断りもしないで、たまに甘い雰囲気出したりそれどころかその気持ちを利用してる気すらするし (こんなムーブする女とか嫌だな)を(こんなの男でも嫌だな)と思わせる蓑浦くん 個人的に何が嫌って、秀ちゃんと結婚した後、諸戸くんを自分たちの整形外科の院長にしようとしてた所が本当に嫌だった こいつ!諸戸くんの気持ち知ってる癖に幸せな自分達の姿を生涯見せつける気持ちか!?みたいな 諸戸くんの最期を考えれば考えるほどムカムカしてしまう あんな陰鬱な家から出てやっと見つけた光が何故よりによって蓑浦くんだったのか 何故諸戸くんの幸せは蓑浦くんの形をしていたのか そのお陰で本当の家族に会えたとはいえ余りにも酷すぎる運命だよ ただ全体の話としてはすんごく面白かったという感想に尽きる 初代さんの幼少期に見た景色、諸戸くんの研究、家系図、曲馬団等ぜーんぶ繋がってくの流石すぎた 秀ちゃんの手記から一気に話に引き込まれるし、途中で北川刑事の話を入れることで最後に警察が出てきても突然感もなかった 暗くて狭くて息苦しいの苦手だから井戸の底の描写が巧すぎてほんとに苦しかった あと個人的に蓑浦くんより丈五郎より何より樋口家先代万兵衛が一番大嫌いです 序盤の雰囲気はミステリーだったけど全体的には恋愛冒険もの?って感じなのかな? 初江戸川乱歩だったけど読めてすごくいい体験になった 押絵と旅する男も読みたい
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