K野 "世界99 下" 2026年6月7日

K野
K野
@knocano
2026年6月7日
世界99 下
世界99 下
村田沙耶香
「私は、いつも目の前のコミュニティや個人の空気の動きや顔の筋肉の反応に対応しているだけで、その向こうにある「社会」は、「恵まれた人」が私たちのために頑張って運営している、透明な城だった。私はそこに行く必要はなかったし、考える必要もなかった」 世界に「リセット」が起きた。しかし混乱は数年で落ち着き、再生後には悍ましい事実が日常とされるようになっていった。 世界は生まれつき優秀なラロロリン人を中心とした一部の「恵まれた人」、恵まれた人に感謝し批判や怒りなどの汚い言葉は使わず生きる大部分の「クリーンな人」、そして未だリセット後の世界に対応できず世界の間違いを駅前などで声高に叫ぶ「かわいそうな人」の三種の人間とピョコルンで構成されるようになった。 …読んだ。読み終わりました。 上巻の間は起きることにいちいち衝撃を受けてキツくてたまらなかったけど、下巻は悍ましさが日常となっていてひたすらしんどった。 途中からこの話がどういうオチになるのか以上に、この話がどういう視点で描かれているのかの方が気になってたまらなかったので読了後にいくつかの作者インタビューを読んだ。 この話が作者の経験やこの世界への怒りや絶望から描かれたものなのか、俯瞰した視点からの冷笑なのかで大きく変わると感じたので…。 結果、ある程度前者だけれど後者の要素も無くもないのかな…冷笑とは少し違うけれど世界や人のありようへの興味というか。それが悪いことというわけではないし一つ一つ命を削って書かれたものだとも感じるけれど、ただ読み終えて残ったのは圧倒的な疲労と胸苦しさで、読んでよかったという気持ちにはなれなかった…
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