
704h
@704h
2026年6月8日
柿の種
寺田寅彦
読んでる
半分くらいまで読んだ。
随筆は大正九年に始まるので、半分は昭和七年くらいになる。年代順に並べているので、当時の東京の空気感も感じられて楽しい。
はじめは観念的で日常の中の哲学といった趣きだが、関東大震災が起こってからは日常の情景の観察と考察が増えているように感じた。日常が無くなってしまったのだから当然と言えば当然かもしれない。もしくは面白いことを言おうとするより、ふと思ったことをそのまま書く方が、余白が生まれて良いと思ったのかもしれない。
そういう意味ではスナップ写真に似ている。演出して情景をつくるのではなく、散歩中に目に止まった物をそのまま撮る。俳句の話題も多く出てくるが、俳句もスナップ写真に近い。それぞれの短い文章の中に感情の動きが収まっていて、色んな感動を味わえる。
忙しくしていると、こんな風に見つけながら生活できないだろうから、ちゃんと人生をゆっくり噛んで味わわなければいけないなぁ。
