
みゆこ.~.
@miUiko
2026年9月11日

チョコレートコスモス
恩田陸
読み終わった
本当に演劇を見ているかのように錯覚して、作品内で演技に魅せられている観客と同じようにアドレナリンが出てくるのを感じた。
想像以上のものを見せつけられた瞬間の、恐怖とも感動ともつかぬ感覚 が何度もあった。
天才と呼ばれる人たちの中身が、丁寧に描かれていると感じた。タイプが異なる2人の「天才」。すべて意味を考えながら脳で動くタイプと、先に身体で覚えて直感で動くタイプ。2人の相乗効果と、その2人に呼応するように動き出す周囲の人。
きっと、何度も読み返す作品になると思う。
世間からの評価と自己評価との照合に苦しんだり、達成感や優越感に浸っていたのも束の間、屈辱を感じたり。登場人物たちから、成長しながら生きるには、この繰り返しなのだと学んだ気がした。
ただ、絶望するのではなく、自分にとっての最適解を探し続けること。
この本で描かれているのは「舞台」「オーディション」だけれど、きっとどの社会でも変わらない大事なことだと思うから、何度でも見返して忘れないでいたい。
他にも、長い年月をかけて一芸を磨き上げてきた人のオーラや所作、「歴史」を頭に入れることの利点、若き「天才」の危うさと扱い方(育て方?)など、本当に至る所に大切なことが詰まっている。
【印象に残った台詞等】
・同じモノを手に入れたからって、おまえらなんか、絶対その重さに耐えきれないっつうの
↑最近よく、周囲の優秀な人を見て、そうなりたいと焦っても、そうなるための器がまだ出来上がっていないと感じる。
・ある日突然変わったんじゃなくて、一滴ずつ変化を貯めてるうちに、ある瞬間外に溢れ出して、人目につくようになっただけ
↑これも最近の気づき。優秀な人たちや、目標にしたい人たちを見ていると、ずっと考えることをやめていない人ばかり。
・今見ている少女の中にあるものを、把握できない。評価できない。理解できない。そのことが、彼をひどく苛立たせる。
・ー本当に、知らないということは恐ろしいことだ。あの時、あのままあの子の演技を見ることなく帰っていたとしたらー
・うまくなるには、何かのショックを受ける必要がある。
・知らないことは恐ろしいことである。しかし、同時に心の安寧を約束してもくれる。