
JioA
@bout_A_girl
2025年3月24日

転の声
尾崎世界観
読み終わった
借りてきた
@ 図書館
転売がある種プレミアという価値観となり横行する世の中で
声がうまく出せなくなったバンドマンが自分の声を転売してほしいと転売ヤーに提案する。
すごい名前の著書だと思ったらクリープハイプのボーカルの方だった。
本当のバンドマンが書くライブや転売の見方や
チケットを買う側ではなく売る側の目線が面白くて「転売される」=「需要が上回る」という自己肯定感の指針に振り回される主人公の心境も面白かった。
転売の先にあるのが、選択する無観客ライブというもので
発端はあるアーティストのライブ中に死人がでる事故があって、彼女は沢山の命が集まってる事に怖くなった事だと書かれていて
私達はライブに行くことによって本物のアーティストを「生きてる!ほんとに人間だったんだ!」と思う事が沢山あるが、こちらも人間で1つ命であって、沢山の命があのライブという形に集合してるんだな
と改めて思った。ラストはフォーカスされてるけど、まざまざとその事を書いてるような、そうでないような。
冒頭の高速な展開からふと速度を落とした書き方の不思議なバランスのせいで、終わりがよくわからないなどういう事?とおもったけど、たぶんこれはどちらも生きてる人間で命ですよって話。

