
たにこ
@chico75_11427
2026年6月8日
消費される階級
酒井順子
読み終わった
「平等」を求められる世の中に残った過去の凸凹、格差。
著者の視点から語られる様々な格差を、過去と現在で比較して語られるが、著者の視点の鋭さが自分にとても刺さる。(面白い!という意味でも、図星という意味でも)
柔らかい口調で読みやすく、なんとなく感じていた「平等」の歪さが丁寧に言語化されていて一気に読み進めました。
綿矢りささんの気になる本として紹介されていましたが、今読んで正解の本。
これから先、「平等」の価値観が新たにズレてくると、この本を読んだ感想がまた変わってくるんだろうなと感じました。
「バカの壁」ーー知りたくないこと、興味のないことには耳を貸さず、情報を遮断してしまうこと自体が「バカの壁」という本なのに、読んでない人たちがバカ差別を許し始めてしまった。という視点はなるほど!と感心。努力してない人は仕方ないですよね、という空気が格差を助長した。ただ、脳力(能力)が高い人の格差をなくすと経済や政治が回らなくなるのも事実。


たにこ
@chico75_11427
・結婚する人が減り続け、子供の数が減り続け、そうして日本の人口が減っていくのは、制度上の平等と精神的平等の乖離から日本人が目を逸らし、放置し続けているから。表面的には「平等ですよ」と言われながら、奴隷的日常を課せられ続けるならば、女性達の腰が引けていくのは当たり前のことです。かといって男性だけが悪いわけでもなく、「自分が下にいることにしておけば、面倒臭くない」と、「下」やら「低」やらにあえて身を置き続けた女性もまた、責任が無いとは言えないのではないか。(P27)
・高齢者の年齢を聞いたら必ず「見えませんねぇ!」と返す、というこの定型のやり取りもまた、エイジズムの一種なのではないかと私は思います。言う側としては思いやりのつもりでも、年をとった人を下に見る視線が、そこにはありはしまいか。(P35)
・無名人達は、自分が無名であるのをいいことに、どこまでも有名人のスキャンダルを欲しがります。有名人は、無名人よりも「上」の存在。だから無名人が有名人のスキャンダルを消費するのは当然の権利、と我々は思っているのです。(P97)
・孤独でいる権利は認められていながらも、一方で国は、孤独が原因となって発生する様々なリスクを危惧しています。(中略)非・孤独な人生を歩んできた人々は、そんな孤独者達を見て「よかった、私は孤独じゃなくて」と思うのかもしれませんが、決してそのようなことを口に出してはならないのが、今のご時世。孤独な人が差別されない世の中にはなったものの、孤独者と非・孤独者の間の距離は、どんどん離れていく気がしてなりません。(P110〜111)

たにこ
@chico75_11427
・突き抜けた「好く力」を持つ人にとって、学歴が高いも低いも関係のないものです。我々大人は、子供に「勉強しろ」と言う時、「良い学校に入ると、それだけ将来の選択肢が広がるんだからね」と言いがちですが、幅広い選択肢を必要とする人は、反対に言うならば「好く力」に恵まれていない人。強烈に好きなものを持っていない人ほど、選択肢を広げるために、頑張って勉強しなくてはならないと言うこともできます。(P114)
・おたくの人々の多幸感の源は、「好かれる」ことに無関心、というところにあるのではないかと、私は思っています。思う存分に「好く」ことさえできれば、好かれなくてもおたく達は平気。もちろん、誰かから好かれればそれなりに嬉しいにしても、好いている対象から好かれなくても、またその他大勢から好かれなくても、彼等は何ら痛痒を感じない模様です。(P119)
・アイドルやアニメのグッズに投入される多大なお金は、本来何に使われるはずのお金だったのか。……などと言う事は考えず、これからも人々は日夜、「好く力」にひたすら磨きをかけ続けるのでしょう。(P123)
↑この皮肉が刺さりました
・反ルッキズムの世になってから、日本女性が自らに課す容姿についてのハードルは、ますます上がっている気がしてなりません。(P222)
・人々はもう、物質的にであれ精神的にであれ、余計なものは持ちたくないのです。物質であれ好意であれ愛であれ、どっさりは持ちきれないから一人分でじゅうぶん、なのではないか。そんな時に、マッチングアプリはちょうどよいシステムなんだろうなぁと、私は思います。(P235)