とーど "植物少女" 2025年3月24日

とーど
とーど
@toutoutoudo
2025年3月24日
植物少女
植物少女
朝比奈秋
自分を産んだことで母親が植物人間になってしまった女性のお話、って聞くと悲劇的なお涙なもののみたいに聞こえるけど、なった瞬間じゃなくてなった後のことが書かれていた。確かに悲劇性みたいなものもあったけど、ストーリーではない人間の感情の移ろいが書かれている。存在だけしている何も能動できない人に対する視点がマイナスじゃない一つの回答が提示されていて、手を握るという行為で表されていた。 あと走る主人公の呼吸が母の生のあり方を会得することとつながっていく場面が好きだった。雑念のない生の連続が続いている状態にいる母に気がついて価値が下から上に移動する。 パラフィン紙みたいな文体。 「あなたの燃える左手で」と全然違う印象だった。 なぜか朝比奈秋さんと芦沢央さんが書いた本がそれぞれ私の中で混ざって同一人物が書いた本になってたからなんでやと思い返したら「汚れた手でそこを拭かない」と「あなたの燃える左手で」から混同していた。そして二人ともあにいた。
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