
Tomy
@books_tomy
2026年6月9日
一億年のテレスコープ
春暮康一
読み終わった
やっと読み終わった。
「エルゴ領域」のようなわからない用語を調べたり、文章の意味するところを咀嚼したりするのに時間がかかった。けれどそこに負担感をあまり感じなかったのはストーリーの面白さとスケールの大きさ、読んでいると浮かび上がってくる謎が魅力的だったからだと思う。
この小説の時間軸は「大始祖」の足跡を追う母と子を描いた遠未来、この物語の主人公である「望」の人生を描き小説の中心となる時間軸の(広い意味での)現代、謎多き「飛行体」と宇宙に点在する文明を描いた遠過去の3つから成っていて、最初はそれぞれの時間軸がどう繋がっていくのか頭に疑問点ばかりだったけれど、最後まで読むと全ての謎がきちんと解消された。最終章のタイトルにもあるようにまさに環が閉じるように時間軸が繋がった様は快感だった。
全編を通して、春暮氏が描く話のスケールの大きさに頭の中で描くイメージが追いつけなくて置いてけぼりにならないよう必死にしがみつくような感覚で読んでいたけれど、それ自体が他では中々得難い読書体験だなと思った。
あとタイムトラベルSFで起こりがちな邂逅シーンを「量子複製禁止定理が破られる」と表現するのはわかりにくいけどなんか良くて好きだと思った。


