
本読みの旅人
@hi_tommy930
2026年6月9日
人びとの社会戦争
益田肇
読んでる
第2章 くすぶる苛立ち:草の根社会保守の台頭
想像以上に明治と大正の間の断絶がある。
大正デモクラシーによる旧来(封建社会〜明治)の常識からの解放を体現する者たち(女性、被差別部落、朝鮮人等)に対する正に苛立ちが、旧来のあるべき姿(仁政)に戻そうとする社会保守気運の高まりにつながる。これが右翼も左翼も男も女も老いも若いも関係ない。さらに旧来の価値観に社会主義や民主主義といった新思想も使って、被差別者たちを「保護」するべきだと一見耳障りが良いようなことを述べる。
あれ?これ今でもゴリゴリ右翼な人たちが言ってることじゃないですか?と100年経っても変わっていないことに驚愕する。
関東大震災における朝鮮人虐殺や被差別部落虐殺は、何度読んでも辛いが、自分が当時その村にいたらああならずにいれたのだろうか、と人間の弱さ醜さを思わずにはいられないし、今の排外主義と重なってしまう。
人権という概念を獲得しなかった方が幸せだったのか、誰もが与えられた役割を全うした方が社会は上手く回るのか、と考え込んでしまう。
でも、女性が断髪しただけで「ほとんどクーデター」とか言われた時代に戻りたくない。抑えつけられた人びとが声を上げて挑戦してくれたから、私は今何の憂いもなく短髪でいられるのだ。