人びとの社会戦争
79件の記録
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月30日読み終わった度々個人の日記や手紙が実名入りで出てくるが、本人は書いていた当時は当然他人に見せるつもりなんてなかっただろうし、戦後の価値観からすると、戦争を渇望/賛美する内容を書いていたことは知られたくなかったのではとも思う。何なら自分を守るために処分されていてもおかしくなかっただろう。それでも残し、研究対象にされることを許可されたのは、軍国青年/婦人であった自分たちを真っ直ぐに省みて、後代の私たちにそうなってはダメだと伝えてくれているように思う。資料が残る、残し続けるって本当に大切なんだな。 2段組、紙薄め、約600頁の充分に鈍器級の本で、かなり時間をかけて読んでしまったけど、2026年に読んで良かった本3冊に入る。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月28日読んでる終章 解放と引締めをめぐるもう一つの戦い 吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を取り上げ、吉野自身の多面性を見ていくと、〇〇主義を主張する人たちも、右が左かなんて割り切れずに、少しずつ色々抱えているのではないかとも思う。宮崎駿だって、反戦とミリオタが同居しているし、私自身の中にも刷り込まれた家父長的な一面が抜けきれずに「らしさ」を求めてしまうこともある。極端にならずに、中道ってことかな。 『君たちはどう生きるか』の戦中/戦後の読まれ方や、吉野自身の戦後の解説を知ると、宗教と同じで人間は自分が求めているものをその中に見出すのが得意なんだろう。戦後に同書が「軍国化する中でギリギリの抵抗」をしたと評価されるが、それはいわゆる受け身史観(翻弄された市井の人々)にマッチしたからで、だからこそ何度もブームになる。でもそれで本当の意味で平和維持が可能だろうか?と本書を通じて見てきた人々の熱狂ぶりから不安になる。私たちは誰でもああなってしまうのだ、と自身の本性に自覚的でいたい。

本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月26日読んでる第17章 引締めの再来:巻き返す草の根社会保守 「日本本来のあるべき姿」「男女のらしさ」「アジア諸国に対する優越感」への固執は綿々と受け継がれているが、いつが起源なんだろうな。日本人は異様なまでに日本人であることに誇りを持っているというか、日本すごい系の番組も未だ人気だし、特にスポーツで日本人が活躍すると、同じ日本人として誇りに思うだの言って我が事のように喜ぶ人がいるが、日本人がすごいのではなく、その人自身の才能や努力であって、あなたじゃないよといつも思う。日本人は「日本人」というアイデンティティがないと立ってられないのかな。坂口安吾の言う、本当に自由に解放されても堕落しきれるほどの人はほとんどいないというか。 「和を以て貴しと為す」が全く良い言葉に感じられなくなってくる。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月24日読んでる第16章 解放の再来:あふれ出る個性と多様性 降伏を受け入れられない人たちは、国(皇国三千年の万世一系という神話上の存在)に自己を重ねてしまっているのかな。 「朝鮮人が襲ってくる」という恐怖は、それだけ植民地時代に自分たちが理不尽な支配や差別をしてきた自覚の裏返しだろう。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月22日読んでる第15章 大東亜戦争と人びとの社会戦争 軍部が政治を乗っ取ったとか、国民は国家のプロパガンダに扇動されて否応なく動員されたとか、決してそんなことはなく、大きな政治力を持って政治家や軍人も動かしていたのは引き締めたい側の国民か。 およそ政治/軍部/朝廷の上層部のほとんど誰も国運かける必要がないと考えていたし、開戦決定を下した御前会議でさえ、開戦目的を明確に説明できず、開戦後にもずるずる変化していった(恐らく世論を意識した変化)開戦目的。こんなグダグダ状態で、3年以上も長期化する戦争に突入し、日本だけでなく、アジア太平洋諸国を戦争の泥沼に引きずり込み、無数の死傷者を出したのか。やりきれない。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月19日読んでる第14章 対米強硬論のうねり 英米が憎くて戦争するのではなく、明治以降に英米が持ち込んだ個人主義が憎くて、戦争を使って個人主義を引き締めたい。これまで理解していた目的と手段が真逆だ。
白玉庵@shfttg2026年9月19日気になるかくりさんの投稿で。 うわー、662ページ…こういう大作を書ける人って、本当にすごい。読むだけでもヘロヘロになっちゃうのに。 以下岩波の紹介。 近代化を成し遂げた大正期以降、解放と引締めをめぐる「戦い」が、人びとの日常のなかで激化し、ついには本当の戦争へと至るまでを描く。軍部が起こした戦争に巻き込まれた国民という視点からは抜け落ちる、人びとの「社会戦争」のダイナミズムから近現代日本の実像を追う。大佛次郎論壇賞、毎日出版文化賞受賞者の渾身の大作。









本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月16日読んでる第13章 国内事情の重み 日本もアメリカも、国内の強硬世論に配慮しまくって、かつ日本はやることなすこと全部裏目に出て、日米交渉が実現しない。 日本は意味のない言葉遊びが過ぎるが、語尾をあれこれ付け加えて決めたようで何も決めないことを決める、みたいな今でもよくあるやつ。 今までの「軍部の暴走が国民を戦争に引きずり込んだ」ではない、日本の軍国主義はどこから?がもう少しで見えてきそう。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月15日読んでる第13章 国内事情の重み 政府中枢の誰一人として開戦を決意していない段階で、右翼団体とも関係ない、情報の末端にいるような人々が対米/対ソ戦争を覚悟というか、渇望していたのか。 政府中枢が国民感情にこれほど神経尖らせていたことも驚く。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月13日読んでる第11章 大政翼賛会とは何だったのか それぞれがそれぞれの本分を忘れず、逸脱せず、「らしさ」を全うすることが新体制。すべてはお国のために。 現在も個が進み過ぎた末の色々な問題(孤独死、ワンオペ育児、核家族、、、)を語る時に地域との繋がりが大切と言われるが、戦前に求められた「共存共済」「日本らしさ」もきれいな言葉が並んだ『家の光』掲載の生活詩も、何か同じように見えてくる。私たちは戦後から戦前を見てるから、その異様なまでの「らしさ」「一体感」に違和感を覚えるけど、その時代にいたら心地よい耳障りのよいものだったのかもしれない。 大正の解放の時代に多様な生き方が生まれたことで、正解や善悪の基準も多様になってしまい、それに不安を覚えた多くの人々が「国体」に沿う、「日本らしい」かどうかという明瞭な基準を求めていたと。 何かこれって、今もスパッと言ってくれる(正しいかどうかは関係ない)政治家が好まれたり、物語のクライマックスまで待てない人が増えていたり、本をAIに要約させて読んだ気になったりする今と近くないか?
本読みの旅人@hi_tommy9302026年9月3日読んでる第9章 戦争の魅力(2) 人びとはなぜ戦争を欲したのか 岐阜国防婦人会の機関誌にに、家のことができてないなら国防婦人会の仕事はすべきでない、今まで以上に家のことをして初めて銃後の守りに一役果たしたと言える、て書いてて、今の働く母たちに言われる言葉そのまんまやんってなった。。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年7月19日読んでる第6章 全体主義の魅力(1)絆、団結、一体感の希求 大衆の「軍国主義」の受け入れが、らしさ復活の手段としてだったという指摘は面白い。 松岡洋右のゴリゴリのポピュリストな一面は初めて知った。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年6月30日読んでる第5章 満洲事変とは何だったのか 解放の時代は、単に都会/地方、富裕層/貧困層、工業/農業の対立ではなく、個人の生き方が急激に変化すること=国内崩壊への恐れからでてくる、「らしさ」の戦いであって、家族や親戚、ご近所さんといった半径5メートル以内のあちこちに分断をもたらした。解放していく人々に対する苛立ちをもっともらしく糾弾するために「愛国」だの「非国民」だのがもちだされた。 最も愛国的な国防婦人会さえ、目立ちすぎると家を空けるな、子育てを他人に任すなと非難される。いつの世も支配したい野郎どもはいる。 国防婦人会の活動が保守的な女性にとっては一種の解放であったという点は、そうかそうだよなと納得。 石原莞爾の「国内の不安を除く為には体外進出によるを要す」とか「国内改造するためには戦争に突入した方が簡単」って今の右翼系団体も同じようなこと言ってる。。 この章を読んでる間ずっと、今も同じようなことが起きつつある、、、という焦燥感にかられていた。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年6月21日読んでる第4章 幸せとはなにか エロ・グロ・ナンセンスによる乱れの原因を、枠内にはめられてきた自身の役割から正に解放され、個々人の幸せを追求しようとする向きに求め、世間の掟に統治された世界を取り戻そうとする動き。昭和維新運動も農本主義も神輿担ぎも、耳触りが良い。権藤の世間至上主義的な発言も、民主主義のような内容にも聞こえる。 でも、結局は自分たちが今まで堪えてきた「世間の掟」から逸脱するのは許さない、ずるい、という感情が垣間見える。この他者に対する「ズルい」という感情は、今の世も同じで、例えそっちが良いと分かっていても、自分も不利になると分かっていても、他者を邪魔しようとする。 解放と引き締めは必ずバックラッシュを繰り返し、1歩進んで10歩下がる、みたいな感じなんだろうな。 誰もが与えられた役割から逸脱することなく全うする世の中は、とても機能的かもしれない。世間の掟に統治された世界は平穏に見えるけど、誰かが必ず虐げられているものだ。人権という概念を獲得した結果、「個人」を求めすぎているのか?と不安になるときもあるけど、誰も虐げられない世界を夢見ないと1歩も進めない。- h_shimoda@hshimoda_06152026年6月18日読み終わった借りてきた学び!2026年読了本戦争への危機感が高まる今、読むべき本。日本はなぜ戦争に進んだか?それは軍部の洗脳なのか?独裁者のせいなのか?に対する優れたアンサー。解放/引き締めの社会戦争という切り口がとても面白い。2段組500頁超の鈍器だが、おすすめ
本読みの旅人@hi_tommy9302026年6月9日読んでる第2章 くすぶる苛立ち:草の根社会保守の台頭 想像以上に明治と大正の間の断絶がある。 大正デモクラシーによる旧来(封建社会〜明治)の常識からの解放を体現する者たち(女性、被差別部落、朝鮮人等)に対する正に苛立ちが、旧来のあるべき姿(仁政)に戻そうとする社会保守気運の高まりにつながる。これが右翼も左翼も男も女も老いも若いも関係ない。さらに旧来の価値観に社会主義や民主主義といった新思想も使って、被差別者たちを「保護」するべきだと一見耳障りが良いようなことを述べる。 あれ?これ今でもゴリゴリ右翼な人たちが言ってることじゃないですか?と100年経っても変わっていないことに驚愕する。 関東大震災における朝鮮人虐殺や被差別部落虐殺は、何度読んでも辛いが、自分が当時その村にいたらああならずにいれたのだろうか、と人間の弱さ醜さを思わずにはいられないし、今の排外主義と重なってしまう。 人権という概念を獲得しなかった方が幸せだったのか、誰もが与えられた役割を全うした方が社会は上手く回るのか、と考え込んでしまう。 でも、女性が断髪しただけで「ほとんどクーデター」とか言われた時代に戻りたくない。抑えつけられた人びとが声を上げて挑戦してくれたから、私は今何の憂いもなく短髪でいられるのだ。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年6月8日読んでる指摘もある通り、私たちは幕末/明治大正昭和(戦前戦中)/戦後に分けて考えがちで、意外と明治大正の間における市民側の断絶は考えたことあまりなかった。 大正モダンガールや職業婦人が求めていた解放や、人種差別部落差別は、100年近く経っても、完全には解消されていないし、何なら明治の価値観に戻そうとする右派は俄然元気な時勢だ。。
本読みの旅人@hi_tommy9302026年6月7日読み始めた毎日1章ずつゆっくりと。 この時代に生まれていたら、この熱狂に抗うことはできただろうか、といつもこれ系の本を読むと考え込んでしまう。 今も日本の一部で、世界の一部で熱狂が始まっている気がする。
kirakira30@kirakira302026年3月31日読んでる〜帯より〜 私たちの社会はどうあるべきか。私たちは何を願い、何を戦っていたのかーー。 近代化を成し遂げ、帝国になった大正期以降、普通の人びとの社会を舞台にした「解放」と「引き締め」をめぐる「戦い」が、本当の戦争になるまで。 序章 人びとは何を戦っていたのか 〈祖国の戦争に対する人びとの強い熱意と愛国心は、一夜にして生まれ出てきたものではない〉p2
ヒナタ@hinata6251412026年3月18日読んでるちょっとお高いので図書館で借りたけど当然ながら読みきれなかった…でもめちゃめちゃ面白い。市井の人の日記や新聞の投稿欄などから読み解く社会の変化は市民の歴史そのもの。返却してまた予約するか(人気です)、いっそ買うか、悩んでます。
森乃栗@readskm2026年2月1日読み始めた戦前、戦中、戦後の日本社会が人びとの実感から描かれるよう。過去のことが書かれているのになぜかいまのことのように思えます。二段組、最後まで読めますように。





畑@hatake_ager2025年10月2日気になる読みたい「自分らしさを重視する『個人主義』や『多様性』、その結果生じる従来の『らしさ』の揺らぎ。これらにいら立つ人々にとって、民主主義や議会政治はむしろ調和を乱す元凶。個を重視し、多様性を認め、対立を助長するからです。この『機能不全』を戦争や全体主義で克服しよう、競争と対立、分断と格差で疲弊した社会を立て直し、一体感と調和を取り戻そうと願う人々の姿が浮かんできました」





かくり@kakuri0001900年1月1日借りてきた図書館本タイトルと商品説明文ざっくりしか見ないで図書館予約したから、受け取るとき「662頁」の厚みと重さがドスッと来た。これは…巻末の立派な学術書だ…… 前にBluesky上でも「大人も、一般的にジュニア向けとされる 岩波ジュニア新書や ちくまプリマー新書、平凡社の質問箱シリーズから読むのが良い」 って感じのポスト何度か観測してきたし、今この本の厚(圧)目の前にして、本当にそうだな……と改めて思う。無理に背伸びしても仕方ない。 しかし、厚(圧)ある鈍器本を見ると、情報!!!!!!!量!!!!!!!!! 情報量!!!!!!ってなる。 親の家を出て、狭アパートに生きる自分はもはや紙の本を買って置いていくのは相当な厳しさがあるけど、鈍器の圧倒的な厚(圧)だからこそのものはあるよなぁ…








































