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@mefmjxu_
2026年6月10日
迷路館の殺人<新装改訂版>
綾辻行人
読み終わった
2026年読了本
水車館読了から暫く時が経ち、ようやく手に取り読み終えることができた。
今作も謎解きや館自体がどこか非現実的、なのに論理はしっかり出来上がっている。まだ3作目なのにこんなにも作品の毛色が異なることに驚きを隠せないでいる。
まず、小説内に鹿谷門美という新人作家のデビュー作として『迷路館の殺人』が組み込まれている構成が独特で面白いと思った。「今回はこんな感じで来るのか!」と序盤で唸った程である。所謂作中作ミステリー。
作中作だからこそ少し距離を保ちながら注意して読んでいたが、時折没入してしまっていた気がする。話の中盤辺りで薄ら怪しいと思い始めた人物の名前が出る度に現実に戻るというなんとも不思議な体験もできた(結果その人物が犯人だった)。
怪しい人物はいるものの何となくでしかなく確証がなかったため、探偵役の島田潔にならい自分も犯人探しをしたが図面を追うだけで精一杯だったのが正直なところ。遅れをとって真相に辿り着き、叙述トリックが施されていることが判明すると確かに動機はあるなと納得。
自分はどちらかというと鹿谷門美についての事案の方に衝撃が走った。例の事件に実際遭った人物が筆を執った事柄は記載されていたものの、それを生業にしていた人物は殆ど亡くなっており一体誰なんだ?心踊らせていたところにペンネームにアナグラムがあったことには全く気付けず思わず声を出してしまった。今思えば冒頭の「島田」のみの記載はこういうことだったのか!と後に分かり、人間の思い込みは恐ろしいなと実感した。
前作から変わらずまた読み返したいと思える作品であった。次は人形館の殺人を早速読みたいと思う。