
柿内正午
@kakisiesta
2025年3月24日

ゴダール映画史
ジャン・リュック・ゴダール,
ジャン=リュック・ゴダール,
Jean‐Luc Godard,
奥村昭夫
読んでる
“ひとはなにかをするためには二人にならなければなりません。あるいは……自分ひとりしかいない場合は、自分が二重人間(ルビ:ドゥーブル)になるような状況に身をおかなければなりません……祖国に対する裏切り者になることによってであれ、二重国籍者になることによってであれ、自分が二重人間になるような状況に身をおかなければなりません。レーニンはその思想のすべてを、ロシアの外にいたときに形成しました。ついでロシアに帰って多くの仕事をかかえ、そのなかば近くについては誤りをおかしたりしたあと、この世を去りました。でも彼の創造の偉大な時期は、彼がスイスに亡命していたときなのです。当時、ロシアの民衆は飢饉に苦しんでいました。レーニンはと言えば、チューリッヒの近くの山中をサイクリングしたりしていました。でも彼は、そうした状態のなかでこそ……同時に二つの場所に身をおいていたときにこそ、自分の最高の思索をもつことができたのです。”
p.110





