
ましろ
@ruhistory
2026年6月11日
老人ホームで死ぬほどモテたい
上坂あゆ美
読み終わった
短歌自体もいいのですが、あとがきがしびれた。エッセイも出てるようなので、読みたい。
いつどこの街に行っても「はまゆう」って名前のスフックある 怖い
人は皆イエベで生まれ死ぬときはブルベになるのかもしれなくて
ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる
富士山が見えるのが北と言う教師 見える範囲に閉じ込められて
暴走族の音がかき消す食卓で 姉が窓からバイクに手を振る
悪口でクリームソーダを垂らすとき世界で一番ブサイクだった ね
弁護士はメロンソーダを注文し割といいやつぽいなと思う
怒っても変わることのない世の中で血のように赤いリップが売れる
感情は自由 ほんとにつらいときおよげたいやきくんで泣いてる
元気そう元気じゃなさそう少なそう精子として見る国会中継
味は同じ氷シロップに色を付けるみたいな仕事がこの世にはある
学生時代力を入れて生きてきた 生きていくんだたくさんの夜
ハロハロの冷たさ夜の陽の長さ君のしょっぱさ すべてが七月
有休で泥だんごつくるぼくたちは世界でいちばんいちばんぴかぴか
マグカップのおおきさは世界のものさしココアの濃さに夢の短さ
食べかけのアイスばかりの冷凍庫 ただしくなくてもたのしくいたいよ
友だちの数だけ呼び名があることでバースデーソングにいとしい綻び
「新人はいいから後ろで見ておきな」フリルの戦闘服の先輩
〇書店の棚で目には留まりつつも、手には取ってなかったけど、読んでみたらとてもよかった!購入の決め手になったのは、「新人はいいから~」の一首。尖ってるんだけど、何ともいえない味わい深さというか・・・。この人は、短歌を自身の感情の受け皿にしてるし、切った自分の指を投げつけるような心の叫びタイプだ!!と思った。
「ハロハロの」は、単語の連なりが心地よくて好き。 「怒っても」は、淡々としたかんじなのに強さが伝わってきた。 「学生時代」は、あのとき(=就活時代)に抱えてたモヤモヤをスッと晴らして、そうだよな、と目を覚まされるような一首。
食べかけのアイスばかりの冷凍庫 ただしくなくてもたのしくいたいよ
は本当に良いなと思った。好きすぎて、3回くらい反すうした。「いたいよ」は、「居たい」と「痛い」のダブルミーニングかな。
テーマとはべつに、言葉づかいというか、言葉のあそび方も好きだなと思う。
「有休で」は、"いちばん"を重ねて、ぴかぴかを平仮名にしてるところ。
「マグカップの」は、"おおきさ"、"濃さ"、"短さ"と、単位が出てくるところ、面白い。
