
あめ
@candy33
2026年6月12日
夜と霧
ヴィクトル・エミール・フランクル,
ヴィクトール・E・フランクル,
池田香代子
読み終わった
読書メモ
ユダヤ人の精神科医による強制収容所の記録。
自らの置かれた状況をきちんと分析して書いていて、具体的なエピソードを交え、筆者の職業である心理分析の観点から収容者や監督者の心の変化がしっかり捉えられていて、なんというか・・・こういうのを俯瞰とかメタ視点というのだろうか、ものすごく知的な記録である。
それゆえ、感情が揺さぶられて読むのが辛い、ということはない。
淡々と、一段上の視点から書かれているが故にむしろ、強制収容所という組織の実態やそこでの収容者の日常がしっかり想像できる。
そして、解放されたあとの収容者の心理状態もしっかりとフォローされているところがとても良い。
筆者の温かな心が感じられるし、部外者が経験者に対してどう接すべきか、なにがしかの視点を得られる。
ちなみに、今回私はこの本を、いま私が置かれている状況とは無関係な、気楽なあるきっかけから再読した。
いまの私は、突然降ってきた苦しみの真っ最中である。
とは言え、当の本人は苦しみに浸っている暇がない。
生きなければいけないからだ。
でも、なぜ自分にこの苦しみが降ってきたのか、なぜ生き延びなければならないのか、私には全くわからない。
そんな状態の私、この本を読んでかなり心動かされた。
「人間が生きることには、つねに、どんな状況でも、意味がある、この存在することの無限の意味は苦しむことと死ぬことを、苦と死をもふくむのだ」
「・・・惨めに苦しまないでほしいと、誇りを持って苦しみ、死ぬことに目覚めてほしい・・・」
つまり、苦しみと死を含めて生きることなのだ、と書かれていた。
強制収容所の苦しみを生き延びた人が言うのだ。私は、誇りを持って苦しんで、生きなくてはいけないのだな、とすとんと納得した。
初読のときも感動した。
でも、再読では、この本はもっと私に語りかけてくれている。
いまの私に必要な本だったんだ。
ps
旧版・新版訳者によるあとがきもとてもよいよ


