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あめ
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@candy33
海外在住。週一土曜日だけ開校する日本語補習校で中高生に社会を教えています。勉強を兼ねて読んだ本と、純粋に好きで楽しく読んだ本の両方を記録しちゃうつもり (アカウント名とIDを変えました)
  • 2025年10月3日
    ヤービの深い秋
    ヤービの深い秋
    教える立場にあるものとして、ウタドリさんの生徒へ思いや接し方がとても深くて感動する。決して幸せな人たちばかりではない環境に生きている人の、その環境への深い理解に、生徒たちはどれほど救われているのだろう。 トリカやギンドロ、心の重いふたりの夢を見てしまった大人たちやヤービたちのその受け止め方に愛を感じる。心が暖かくなるおはなし。 ハイキング中に食べる食事の描写がやっぱり好き。 美味しそう。。。
  • 2025年10月3日
    岸辺のヤービ
    岸辺のヤービ
    ウタドリさんにとても惹かれる。 ウタドリさんの静かで控えめな語り口が、情熱的で感受性が豊かでありながら、冷静で、人間とヤービ関係を的確に判断して対応できる賢さを表している。 ヤービがパパやママからきちんと愛されていること、ヤービがそのことをちゃんと自覚していることにホッとする。 全体として食べ物の描写がとてもすき。
  • 2025年10月3日
    ヤービと氷獣
    ヤービと氷獣
    このシリーズは味わいながら大事に読まなくてはいけないのに、ちょっとした空き時間に急いで読んでしまった。途中、ストーリーだけを追おうとしていることに気づき、ああ、こうやって読んではいけなかったと反省し、シリーズ初巻(岸辺のヤービ)から改めて読み直し、やっと納得。 ストーリーはもちろん素晴らしいが、やっぱりウタドリさんの人柄と、周囲の人やヤービたちへの深い配慮が光る。隠れたテーマがいろいろとあって読み返すたび新しい発見がある。そして、食べ物の力が。。。ウタドリさんがやるように、お茶とおやつを用意しながら読みたくなる本。
  • 2025年9月11日
    この世にたやすい仕事はない
    いちばん刺さったのは、こんな仕事があるんだ!ということ。本当にあったとしたら面白すぎるし(そして私は世の中を知らなさすぎるし)、そうじゃないとしたら、作者の津村さんは、こんな面白い仕事内容をどうやって思いついたんだろう? もう一つ刺さったのは、仕事の対象となるものの名前。「山本山江」「アホウドリ号」「極東フラメンコセンター」「大林大森林公園」・・・ツボ。そして、バスのアナウンス原稿はいちいちげらげら笑ってしまう。 物語はというと、主人公がミステリーな仕事を転々とする中、冷静に謎解きをしていく過程で、緊張感があり、でもシリアスになりすぎず、ところどころにボケやら笑いが仕込まれていて、軽やかな読み心地。 そもそも主人公は、14年も何のしごとをしていたのか、何に傷ついて退職したのか、最後できちんと伏線が回収されていて、結末がとても心に響く。 「仕事から、苦しみだけでなく喜びもまた受け取っていたんだろう。だからこそつらいというのもわかる」 「どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない」 「喜びが大きいからこそ、無力感が自分を苛むこともたくさんあったように思います、その逆も」 ★ 「ふじこさん おしょうゆ」、食べてみたいなあ。。。
  • 2025年9月9日
    世界経済の死角
    世界経済の死角
    社会を教えているので、絶賛経済と金融を学ばないといけない立場に追い込まれている私が今回手に取った本書。 対談形式で読みやすい。 が、当たり前だが、ほぼ素人にはさらさらとは読み進められない。 そこで、今回私は、わからないことが出てくるたびに、逐一chat GPTに教えてもらいながら読み進めることにした。本に書いてあることはchat GPTに教えてもらったことも含めて全てノートに整理。 ということで、読み進めるのに時間がかかり、読了まで2週間(読み終えることができただけで偉い、私)。時間をかけた甲斐があって、経済と金融に対する解像度が上がった気がする。読む前後での自分比較なので、自己満足で良いのだ。 わかることが増えたのが本当に嬉しい。 経済は右と左で帳尻が合うようになっている。つまり、右が増えれば左が減るし、逆もまた然りなのだ。両面をしっかり理解しておくことが大事よね。 そして、日本の企業も国も、家計にもうちょっと配慮してもいいんでは・・・と思ったのであった。 最後に、すごくいいなと思ったのが、本書で紹介されていた「消費者余剰」という言葉。 こういう言葉が生まれる背景には、「経済は、人を幸せにするためにある」という考えがあるのだろうなと感じた。 戦争や紛争を「リスク」という言葉で片付けてしまう経済や金融の世界にある種の冷たさを感じていたけど、そんなことないんだな、とも思えた。 数値に換算できない価値はどうやったら測れるのだろう。
  • 2025年9月1日
    舟を編む
    舟を編む
    ドラマ(もすごく良かった!)を見終えたこともあり、何年かぶりに再読。 まず、「これ、本当に読んだことあったっけ?」というくらい内容を忘れていたことにびっくり。岸辺さんや宮本さんはドラマ専用キャラだと思い込んでいたほど。忘れるにも程がある。 こんなほぼ初読状態の上、当時と今とでは自分の置かれている状況が違っていて、ストーリーを単純に楽しんだであろう(だからすぐ忘れちゃったんだ)当時とは違い、言葉の役割を考え、言葉と誠実に向き合い、辞書という形にしていく登場人物たちの姿に深く共感した。 「言葉の持つ力。傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながり合うための力に自覚的になってから、自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。」 「記憶とは言葉なのだそうです。香りや味や音をきっかけに古い記憶が呼び起こされることがありますが、それはすなわち曖昧なまま眠っていたものを言語化するということです。」 「言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。またそうあらねばならない。」 私も、繊細に誠実に言葉を選び、人ときちんと向き合いたい。 そのための言葉をおなかの貯金箱に貯めていこう。 それが、船を編むってことだね。 (ドラマでもいいセリフがいっぱいあって、用例採集カードを作りたいほどだったなー。)
  • 2025年8月20日
    「あの戦争」は何だったのか
    「あの戦争」は確かに教えにくい。できることなら教えるのを避けたいと思う。本書でも指摘されている通り、そもそもいつを起点にすべきなのか、なんという呼称で伝えるべきなのか、そんなところから毎回疑問に思う。本書を読んで、教科書でも曖昧にしか書かれていない経緯がわかった。そして、「軍部の暴走」の実態も。 「戦後日本政治史」でも学んだが、「あの戦争」に対する見方がイデオロギーと直結している限り、いつまでも日本は政治的に停滞しつづけるのかもしれない。右派と左派の対立ではない歴史(=物語)を作っていくことで、前に進めるのかも。 アジア各国の戦争に関する博物館の記録から、その国の「あの戦争」に対する姿勢を読み取れるという視点も興味深かった。そして、日本に国立の歴史博物館がないというのは、ある意味で日本の「あの戦争」に対する姿勢を示していると納得。
  • 2025年8月14日
    なぜ働いていると本が読めなくなるのか
    なぜ働いていると本が読めなくなるのか。筆者が直面したその問いを展開するために何が書いてあるかと思いきや、日本が近代化した明治時代からの歴史を紐解いている。読書を切り口とした文化史はとても面白い。時代の流れと、それに対する当時のさまざまな識者のさまざまな見方を取り上げた後、最後に結論。「半身社会」は、なんだか最近読んでいる本に共通する考え方を表すキーワードな気がする。これからの日本に必要な考え方なのだろうね。教える仕事をしているので、これが若い世代に根付くと良いなと思う。
  • 2025年8月12日
    暇と退屈の倫理学
    好き、素敵、ときめく、そうした想いに基づく浪費(消費ではない!)に理論的裏付けを与えてくれる。つまり、全肯定してもらえる。贅沢への罪悪感を払拭してくれて、堂々と好きなことに邁進する勇気をもらえるよ。 2章の「定住革命」、6章の「環世界」の話は面白すぎた。
  • 2025年7月16日
    戦後日本政治史
    戦後の自民党優位の体制は、憲法問題を俎上に載せることで作り出されてきたという新たな視点を得た。 憲法改正をイデオロギー問題にする限り戦後政治は終わらないとの見方は、右派・左派の対立はもはや政治を停滞させる要因にしかならないのだろうと思わされた。
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