りんばんち "熟柿 (角川書店単行本)" 2026年6月12日

熟柿 (角川書店単行本)
2008、13、16、20、23、25年と、それぞれが章ごとに分かれていて、間の記憶などを読者が埋めるような形が面白かった。 鶴子や元夫、斉藤さん。全てがスッキリ語られるわけではないのがリアルな人生のようだった。 二十代、三十代前半は、失った子供に執着する危なめな母親に見えたが、話が進んで市井が四十代になり、心の成長を感じる内面が増え、少しずつ話が進んでいるという感じがした。 だから後半、母親の市井からすると息子と会うのは、それほど早急ではなかったと思われる。母に会ってみたい息子側の気持ちと、息子に会いたい市井の気持ちが逆転しているようにも感じる。
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