トミノ "ソラリス" 2026年6月12日

トミノ
トミノ
@KarmaK1061
2026年6月12日
ソラリス
ソラリス
スタニスワフ・レム,
沼野充義
調査先の惑星で奇妙な出来事が起こり続けるファーストコンタクトSF。難解な文章を覚悟していたけど、合間合間にラブロマンスが挟まるおかげかスルッと読めた。 人間の理解を超えたソラリスの『海』。その創造物であるハリーが自己の存在について苦しむ様子を読んで「海ってやつ、神かなにかなのかよ…」と思ったのですが、最後に主人公から海を神に例える論が出てきてウケました。印象的だったのは図書館で論文の内容が紹介されるところ。数多の有識者たちが様々な論点で学説を打ち出しているわけですが、本当の意味で海とコンタクトを取れている人はいないわけで、どんな視点も形容も外部から観測した挙動に対する解釈でしかなく、海にとってはどうでもいいものなのだと考えると、人間と海のどうしようもない隔絶を感じてよかったです。そんな状況で、未知の他者を理解することを諦めずソラリスに留まる決意をしたケルヴィンの人間性が光りますわな…もうこれ第一章でしょ…という感じ。この作品はホラーSFとしても有名らしいのですが、怖いだけでない、人間の能力と枠組みの限界、それでも探究をやめない矜持を描いた名作だなぁと肌身で感じました。
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