
たにこ
@chico75_11427
2026年6月13日
もっと「好き」の因数分解
最果タヒ
読み終わった
最果タヒさんが、自身の好きなものを深掘りしたエッセイ集。
タヒさんの言葉の紡ぎ方がとても好き。
<ライブハウス>
好きな音楽に触れたときの「もっと聴いていたい」という気持ちをそのまま、貫いてきただけだった。美しいものや素晴らしいものに心奪われたとき、それそのものになりたかったと思うのは当たり前のことで、それそのものになれないからこそ恋焦がれるのだ。(P7)
<薔薇>
心の中にある高熱な感情、他者に対して伝えたい情熱、そういうものは、真っ赤な色をしている気がする、そして真っ赤な炎のような手触りで、きっと薔薇の形をしていると、私はどこかで当たり前に信じている。(P30)
<月>
自らに届く光にどこまでも素直で、そして、暗闇に対する落ち着きを感じる。光がない世界を受け入れて、それでも届く光を全身で大切にする。光に縋るのではなくて、光をただ愛しているような、そんな月が私は大好き。(P51)
<金木犀>
だれもが幼いころの記憶として、金木犀のある秋を覚えているわけではないはずなのに、繰り返しくる季節はどうしてか、近くの人、遠い人、知らない人、知っている人、多くの人と共有できた美しい記憶であったような気がしてしまう。(P56)
好きなものを話そうとすると内面の話になる。自分の心が、自分のあらゆるものに記憶され、それが大きな花束になって「私」になる。
素敵な言葉を全身で浴びることができた気がする。