
こた
@ofutonkaradetakunai
2026年6月13日

読み終わった
松本俊彦さんが「まるで隠居老人のように昔話ばかり書き連ね」た本です(本書217頁)。
幼馴染や担当患者の死、処方薬依存に陥らせてしまった苦い経験などが綴られつつ、松本さんが精神科医として形成されてきた過程の一端を知ることができます。
患者に抱いた陰性感情が率直に告白されている点も、日々、支援的態度でいようとしながらも、苛立ってしまうことがある私にとっては、仲間を見つけたような安堵感がありました。
多種多様な苦しみから生まれる痛みをごまかして、生き延びるために、人は何かに依存するのだとつくづく思います。
深みにはまる程度に差はあれども、アディクションは人と切っても切れない関係にあるものですね。
海堂尊さんとも似たこってりごてごてした文体が苦手な方にとっては、少し読みづらい部分もあるかもしれません。
それでも、松本さんの魅力が溢れている一冊に仕上がっていて、読んで損はないです。