"図南の翼 十二国記" 2026年6月13日

雨
@ametrine
2026年6月13日
図南の翼 十二国記
は〜〜〜〜面白すぎる!なんだこれは! とにかくぐいぐい引き込まれて先へ先へとページをめくる手が止まらず、もう最後の方なんか息を切らしながら早く早く!と駆け足で読了。 珠晶のこと、最初は「じゃじゃ馬で小生意気な世間知らずのお嬢サマ」なーんて思っていたのに、諦めが悪くて猪突猛進、高慢そうに見えて意外と義理堅く、運も天も味方につけて嵐のように突き進んでいく様子に気がついたら応援してた。 悲惨なシーンも勿論あるんだけど、エネルギッシュな珠晶を見ているのは気持ち良く、読後はこのシリーズで一番の爽快感があった。読者の見たがっているものを期待以上の完成度で当たり前のように差し出してくる作者が怖い。予定調和の上位互換ってなんて呼べばいいですか? 「大莫迦者っ!」がいいんだよなあ〜〜〜〜。 あと利広。ミステリアスで飄々とした雰囲気に、「絶対キャラクター人気投票で上位に食い込むタイプだ」などと感じながら、なかなか明かされない彼の立場に思いを巡らせているうちにすっかり好きになっていた。 そんでもって終章での種明かしの鮮やかさよ。撒かれた要素を軽々と回収する納得の出自、珠晶や国の今後を予見させる采配…た、楽しみすぎる…。 シリーズを追ってる者としては過去作を読み返したくなる人も出てきて、行きつ戻りつしながらまだまだしばらくこの世界に浸れそうなのが嬉しい。 キャラクター造形の感想しかまだ書いてないけど、魅力的なのは勿論キャラだけじゃない。 他力本願で当事者意識がないことへの危険性、身分制度や差別への義憤、妖魔(災害)に対する国としてのあり方、雇用と信頼と敬意、仁義とは、等々…この一冊にこれでもかというくらいに課題が詰め込まれていて、ただのエンタメで終わらないあたりが凄い。 深く考えたい人も、とにかく盛り上がる話が読みたい人も、どちらも楽しめる一冊。
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