篠乃崎碧海 "廃用身" 2026年6月9日

廃用身
廃用身
久坂部羊
映画化を機に15年ぶりくらいで再読。  映画では、漆原はあるいは私であったかもしれないと思わされる瞬間が度々あった(そう感じさせるように作られていたと思う)が、原作ではそうは感じない。全く理解のできない人物というわけではなく、共感するところや痛い本音を言い当てられてドキリとするところは多々あれど、やはり全く異なった人物であり、一歩距離を置いて見ていられるように思った。  私はどちらかといえば漆原に近しい感性を持つ者であろう。他者に向ける自覚のない残酷さ、露悪的な態度、否定されることを許せない固執した感覚を、確かにこの身に宿していると意識し続けながら他者を敬いともに生きていくことの難しさを思う。
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