
蒼白
@Cisal224
1900年1月1日

神の悪手
芦沢央
読み終わった
読書日記
気になる一節
この短編集は将棋を取り巻く人と駒の話。
将棋は盤上の情報が全て与えられていて、運が入り込む余地がないと作品内でも書かれているけれど、その駒たちを動かすのは人だ。
人間の心の動きはいつも混沌に満ちている。頭では正しい道だとわかっているのにそれができない、相手のことを理解していると思ってもそれは都合のいい思い込みに過ぎない。将棋の駒の動きは、そんな自分や相手の心の内側を露わにする。
『将棋は、秩序を壊すゲームだ。
収まるべきところに収まって安定した駒たちを、一手一手、混沌へ向けて動かさなければならない。』
この一節は人生と似ている。
一つ進むたびに未来が開けていくというより、むしろなんでこんな事になったのかということのほうが多い。
今の世界を見てもそうだけど、安心•安全などどこにもなく、私たちは混沌の中で見えない誰かと戦っているかのようだ。
