
はぐらうり
@hagurauri-books
2024年7月7日

谷から来た女
桜木紫乃
読み終わった
82年生まれと、おそらく奇しくも同級生であった主人公・赤城ミワ。
なんとも不思議な読後感で、頭の中がふわふわとしている。これは主人公の魅力にあたっているのか、著者の問いかけに悩まされているのか。どちらか一方だけでもふわふわしてそう。
そんなことは表立って書かれていないのでただ小説として面白い作品だけれど、アイヌと日本人、という根深い民族問題が背景にある。琉球の話を最近よく読むので、余計に気になっている。
今の、民族問題に端を発した戦争の続く世界情勢のなかで、自分たちも当事者だよね、と言われている気がする。他人事だと思ってないよね、というような。
ただ面白い、だけに留まらない、考えさせられる作品。ちょっと考えて、トイレでも行って戻ったら忘れてる、とかじゃないよね、と言われているような。
