胡花
@scyxmcy7423
2026年6月14日
熟柿
佐藤正午
読み終わった
オーディブルで聞いた
ごめんなさい、辛口ですので、この作品が好きな人は読まないでください。
何故本屋大賞にノミネートされたのかすら理解できない。
以下、ネタバレありです。
①何故自分から警察にいかない?1番疑問。
会社の人から「相手にされないぞ」と言われてそのまま鵜呑みにするのはどう考えてもおかしい
②ツルコの生理が遅れているくだり、何故ツルコもかおりも産む前提で話を進めているのか?母親になる女が中絶を選ぶわけはないというアンコンシャス・バイアスを感じる。もしくは、女の意思での中絶は許さない、という作者の男性としての圧力。
③吸えもしないタバコを買って咥えるという描写。あまりにも小説的すぎるというか、女性の行動としてあり得ない…男性的ナルシズムを感じてむずがゆいです…。
④私強くなった!と言いながら、それは受動的に運命を受け入れその中で争わず戦わず甘んじて生きる人になったというだけで、大事な貯金を盗まれたのに自分から警察にいくことも、元旦那にかけあったりクジュウロさんの力を借りて子供に面会する権利を得るため戦うこともしない。強さイコール鈍感力?すごく違和感。
⑤クジュウロさんに、会わない方が息子のためと言われているのに、法事のための帰省の時にこっそり息子に会おうと画策する、その気持ちは理解できるが、まだ子供のサキにこっそり手引きをさせようと企むのに引いた。発想が異常だと思う。
⑥かもしれない、とか、記憶が曖昧である、とかをやたら多用するのは何故?どういう効果を狙ってのことなのだろう。主人公の理解力や知性に対する読者の不信と、文章としての分かりづらさ、くどさしか生まないように思うのだけど。
⑦息子と再会できたのにあの態度は何?自分が想像していたものではなかったと不満つらつら、ひき逃げした事実も最後まで伝えないくせに「自分の子供に会いたくない親がいると思う!?」と謎に逆ギレ。挙句、送ろうという息子を「ご飯に間に合わなくなるよ」とイヤミたっぷりに断る。息子が可哀想すぎて涙が出てきた。包んでやれよ…!!ひき逃げの事実を伝える勇気が出ない、それはまだいい。だけど、「あなたに会いたかった」「あなたが大切だ」「これからもずっとあなたを愛してる。何かあったらいつでも私という存在を思い出してほしい」って言ってやれよ…!!私は私がじゃなく、息子が今までどんな気持ちで生きてきたか少しは慮れよ…!今どんな気持ちで目の前に立っているか少しは考えろよ…!なんでラスト、やっとちゃんと向き合おうとするのが息子じゃなく男なんだよ…!?タイトル「熟柿」の伏線回収のめちゃとってつけた感なんなんだよ…!自分がハネ飛ばしたお婆さんの生命に対する悼みや贖罪も全くないやん…!そもそも冒頭の葬式で主人公はハルコおばさんの柿を弄んでもバカにしてもないのになんで呪いがかかるのが主人公なんだよ…!?
全体を通して、この主人公は圧倒的に他者に対する共感や思いやりが欠けている。自分以外の誰の心情にも寄り添うことがない。愛することも、ギブすることもなく、ただただ頑強な体力と強靭な「鈍感力」で人生をその場凌ぎで乗りきっていくだけの人である。この人を通して作者が言いたかった事はなんなのだろうと考えると、「罰(柿を弄んだ罰、人をひき殺した罰)を受けるのは女性であれ」「女性は起きた事にけして逆らわず従順であれ」「女性は全てにおいて鈍感であれ」「女性は絶対的母性を持つべし」とまぁ同じ女性として捨ておけないメッセージが見え隠れしてくる。作者の筆力は安定しておりか可もなく不可もなくでしたが、「感覚」はアップデートされる必要があると感じました。
ごめんなさい、全く良い読書体験ではなかったです。