
いちのべ
@ichinobe3
2026年6月14日
どこかの遠い友に
木村哲也,
船城稔美
読み終わった
> 七色のスポットライトのなかで
> 鳥になり 天空を飛翔する
> それは 官能的で
> 無数の視線が つきききり
> 客たち 全部と
> ファックしている
> 私……
> (「舞台」p164-165)
「舞台」のこの表現が、実際にステージに立つ人でなければ、そして船城さんでなければ出てこないものだろうな、と痺れた。
解説にもあったとおり、船城さんの詩では、人だけでなく自然にも性愛の感情が見出されている。生と性が分かち難く、同じ悦びとしてうたわれているようで、見知った光景のこれまでとは異なる、うつくしい解釈を教えてもらう感覚がある。
> あますところなく
> 浸透する
> あらあらしい
> 雨の愛撫
> 雄大な欲情
> それを受け入れる
> 大地の
> 恍惚たる身もだえ
> (「交媒」p101)
そして表題作、今このご時世に読めて本当に良かった。時間も空間も超えて、呼応する体感があった。
> 私のはげしい思いが
> 無限のつながりを持つて
> 目的物とつながっているかぎり
> 私のまわりを 棘のある柊の垣で
> 張りめぐらしても
> それは 無駄なことだ
>
> 私の思いは遠く
> アルジェリアへとび
> 安保反対の学生デモ隊の中へも
> とんでゆけるのだ
> (「どこかの遠い友に」p138-139)
これからまた、何度も手に取る詩集になりそう。

