
とてと。
@sunsun-
2026年6月14日
恋とか愛とかやさしさなら
一穂ミチ
読み終わった
恋とか愛とかやさしさなら、打算や疑いを含んでいて当然で、無垢に捧げすぎれば、時に愚かだ幼稚だと批判される。なのに、「信じる」という行為はひたすらに純度を求められる。
自分自身のことですら信じるのが難しいのに、他人を信じることはなおさら難しい。
私は新夏の立場だったら、恋人を理解しようとは思えず、信じることができないと思う。なぜなら、法律を守って生きることは、私にとって譲れない価値観であり、自分の根幹を支える「芯」のようなものだからだ。
一度犯罪を犯してしまえば、刑の重さに関わらず「犯罪者」というレッテルがついて回る。だから私は、犯罪は決して犯してはいけないものだと思っている。
法律は人が定めた線引きにすぎない。
しかし、その線引きに対する考え方には大きな個人差がある。
その一方で、法律だけでは救えない苦しみもまた、ある。
人の痛みは法律だけでは測れない。
法では裁けなくても、人の心に深い傷を残す出来事は確かに存在する。そして、法の枠からこぼれ落ちてしまった人たちもいる。
その事実に目を向けながら、それでも人を信じることの難しさと尊さを描いた、とても心に残る一冊だった。

