
manaetta
@adesso80fame
2026年6月15日
はくしむるち
豊永浩平
読んだ
読後、沖縄について言葉を連ね、記憶を残す担い手(著者)の若さにまず驚いた。それだけでも希望だ。
様々なテーマが扱われるが、1枚に見える絵が実際はいくつものレイヤーに描き分けられているような精緻さがある。
亡くなった人たち、という語り手の存在は俯瞰という視点が得られるので、歴史も現代も過去からの地続きの日々ということがよくわかる。
沖縄が舞台で10代の少年少女たちが文化的なものに希望を見いだそうとする物語が、私にはとても新鮮だった。
様々な作品、アニメや映画、書籍、音楽が折々に語られるとホッと一息つく。それはつまり本筋の重さと対照的だ。読み手がそこに安堵を感じるように、沖縄にいる主人公たちも同じなのではないかと思わされる。
80年前、多くの書物から彼なりの強さを身に着けた赤インコの、それでも最後は人々が作り出した「怪獣」的なものに向き合わざるを得なかったのは、まさしくこの本のテーマの1つかなと思った。
修二が折口信夫の書籍にたどり着くシーンが一番私は心を揺さぶられた。

