
イネイネ
@ah-ineine3
2026年6月15日

わるい食べもの
千早茜
読み終わった
私は北国生まれ育ちで、小説を読んでいてもしかしたらこの作者さんとはどことなく感性が合うのではないか?と思っていたら道産子だったので「ビンゴ!」と思ったが、小学校低学年頃からアフリカに渡り4年も生活していたそうなので水道から出る水さえもそのまま飲めないようなワイルドな生活を送っていたらしい。
だからか…と思った。(確かに北海道出身者であっても全員が全員穏やかであまり争いを好まない、虫も殺さないような県民性を持った人ばかりではないかもしれないけれど)千早先生の文体には危険と隣り合わせの人生を送ってきた人ならではのギラギラしたハングリー精神を感じる。それは幼少期のほんの4年間だったとしても染み付いているのだと思う。生卵や牛乳が苦手だという「ナマモノ」への忌避感がそれを如実に表していると感じた。
彼女にとっての食とは「生きること」そのものなんだと思う。平和ボケして何となく手に入るものを咀嚼している自分とは、俗にいう「ステージが違う」というやつなのだろう。親近感を憶えるとかテキトーなこと言ってすんませんした、先生!
私はこの40数年で何十冊、何百…は言い過ぎかもしれないが沢山本を読んできたつもりだ。でも千早先生の言う「人生の宝物」になるような本には出会えていないような気がする。自分は平々凡々な人生を送ってきていて、小説の内容は常にどこか他人事として俯瞰して見ていたからだ。自分がここに放り込まれたら…などと考える余地もなかった。物語に介在していたくなかったから。壁でいたかったから。でも、大人になった今はちょっと勿体無いのかもしれないと思う。主人公の身体をちょっと借りて、冒険してる気分になってもいいんじゃないか。殺人鬼…にはなりたくないけど、小説の中でなら犯罪じゃないし。
今回食についてのエッセイを読んだが、最終的に本の読み方と自分の恋愛スタイルについて考えるきっかけになった。思わぬところに着地したけど、これはこれで楽しかった。
MBTIうんたら〜ではなく食事の仕方からその人の人間性や恋愛の仕方を読み取るみたいな診断があったら存外当たるかもしれないし流行るんじゃないかな、などと思うなどした。