
ジル@本
@SHJHW_Book
2026年6月15日
読み終わった
著者がたずねて集めた「はっきりとはしないが、何か妙である、または不思議であるという出来事」の話。
狐を筆頭に、狸、蛇、ヤマドリ、ツチノコ……自然の中である山・里山が舞台になる山怪には多くの生き物たちが登場した。
個人的にはとくに好きなのが、狸に関するエピソード。狸もいろいろなことをするが狐ほど実害はなく、音だけで満足するらしい、とのこと。
チェーンソーの音だけ、足音だけがついてくる……。実際に見舞われたら不気味だと思うが、語る人たちは慣れたもののようだ。
化かしの世界においても狸はちょっとかわいいのかもしれない。
もちろん、人についての話もある。
編み機を持って山をさまよう女性、自身が死ぬと取り急ぎお寺に知らせに行くタマシイたち、狐に化かされまいと自宅で暴れる男。はたまた、実は自分が狐火だと自称する人まで。
一際怖いと感じたのが、石川県で猟師をしている男性の体験談二つ。
悪天候の山小屋で、外から錫杖の音が聞こえてくる。小屋を周り、屋根へと音が移動する。そして、男三人がかりでないと開かなかった扉がーーという、「来たのは誰だ」。
濃霧に包まれ、前の人のリュックをつかんで一列になって下山するなか、班長が何かが来るかもしれないが慌てるなと言ったとおり、最後尾に異変があらわれる、「もう一人いる」。
山にまつわる妖しい話、弐・参巻も出ているそうなので、ぜひ買いたい。