
茉白
@yty050
2025年3月24日

続・私の部屋のポプリ
熊井明子
図書館の返却日が今週の金曜日であるため、慌ただしく読んでいる。本来、慌ただしく読むような本ではないのだが、怠惰な気質のせいか、ついついスマホばかりを眺めてしまうので、結局返却間際に駆け込むように読む。
全編穏やかで、ヒースの咲く草原でブランコを漕いでいるような心地になる。しかし、本の中で夢のように揺られていると、時折はっとさせられる言葉に胸をつらぬかれる。うっとりと美しい文の中に、背筋が伸びるような厳粛な一文がある。そのギャップがこの本の魅力である。
