
DN/HP
@DN_HP
2026年6月16日

「走らないか」
「え?」
「オートバイで走らないか」
「いま、どこ?」
「河のほとりの、コンクリートの部屋さ。オートバイで、いまから西へむかってこい。俺は東向かう」
中秋の名月の夜に東西それぞれから、一方は月を正面に見ながら、一方は月を後ろに従えてオートバイで走り出し、ちょうど月が頭上にくる頃に出会う、という待ち合わせの仕方がロマンティック過ぎ。そんなことを思いながら四編目に収録された「月見草のテーマ」を読んでいるけれど、今までの三編を読んだ上だとここにも「死」の徴候が漂っている気がしてきて浸れきれない感もある。そこが良い気もする。


