
伍エ捫
@Goemon_VS
2026年6月16日

ペテロの葬列
宮部みゆき
読み終わった
ふいに飲みに行きませんかって言われてちょっと驚いている顔を「『これから動物園に行きませんか』と言われたみたいな顔」と表したり、
声の明るさを「いつもの声が百ワットの電球ならば、今の返事には淀んだ黄色いライトほどの明るさしかない」と光の明暗で例えたり、
他人に軽んじられたことを「店先に飛んできたコンビニの空き袋みたいに扱われた」と例えたり、相変わらず比喩が素敵で読むの楽しすぎる。
700頁あるのに単行本で買ってしまい手首死にかけてるけど楽しい。
主人公と奥さんの会話がいい。向かい合って言葉を交わしているというより、相手を尊重して寄り添っている感じがする。素敵な夫婦。
よほど共感能力が欠落していない限り、どんな犯罪者・加害者にも優しい面はあるけれど、そのことは被害者にとってはなんの救いにもならない。
むしろ「他者に優しく接せられる心があるのにどうして」と、腹立たしさが募るだけ。
でも、加害者の周囲の人間が「あの人は本当は優しい人なんだ」と信じることは、更生の一助になるかもしれないし、決して無意味なことではないと思う。
ただ、あまりその想いを押し付けすぎると、罪悪感と反抗心を芽生えさせる可能性があるから、そこは気を付けなければいけない。
