ペテロの葬列

7件の記録
Magmel@magmel2026年9月14日Audibleで聴き終わったオーディブルで聴きました。主人公が巻き込まれた事件とその顛末に向き合っていく一連の流れに、さまざまな群像や思惑が絡んでいくミステリー。 別の本のオーディブルで聴きやすく情感も温度がちょうどいいと感じたナレーターの方が朗読を担当していたので、そこつながりで選びましたが、思いがけずすごく好きなタッチの作品だった。私立探偵ばりに洞察に優れた一般人あがりの社長令嬢の婿が、使えるコネや手段を全部使って事件を解決していく。探偵役の主人公が思慮深く、人の痛みへの想像力がちゃんとあり、それでいて立ち働くうえでの障害がほとんどないのでストレスが少ない。嫌な人間は登場するが、それも味がある。終盤の急展開は少し驚いたが、次作への繋ぎなのかな。この主人公のシリーズがあって今作が3作目のようだったので、4作目を覗いてから一通り聴いてみようと思う。
伍エ捫@Goemon_VS2026年6月16日読み終わったふいに飲みに行きませんかって言われてちょっと驚いている顔を「『これから動物園に行きませんか』と言われたみたいな顔」と表したり、 声の明るさを「いつもの声が百ワットの電球ならば、今の返事には淀んだ黄色いライトほどの明るさしかない」と光の明暗で例えたり、 他人に軽んじられたことを「店先に飛んできたコンビニの空き袋みたいに扱われた」と例えたり、相変わらず比喩が素敵で読むの楽しすぎる。 700頁あるのに単行本で買ってしまい手首死にかけてるけど楽しい。 主人公と奥さんの会話がいい。向かい合って言葉を交わしているというより、相手を尊重して寄り添っている感じがする。素敵な夫婦。 よほど共感能力が欠落していない限り、どんな犯罪者・加害者にも優しい面はあるけれど、そのことは被害者にとってはなんの救いにもならない。 むしろ「他者に優しく接せられる心があるのにどうして」と、腹立たしさが募るだけ。 でも、加害者の周囲の人間が「あの人は本当は優しい人なんだ」と信じることは、更生の一助になるかもしれないし、決して無意味なことではないと思う。 ただ、あまりその想いを押し付けすぎると、罪悪感と反抗心を芽生えさせる可能性があるから、そこは気を付けなければいけない。


